住宅地にある、へイグ・ロード・マーケット

「シンガポールの市場」その1からの続きです。市場はあちこちにありますが、今回は地下鉄MRTパヤ・レバ駅(イースト・ウェスト線)近くのウェット・マーケットをのぞいてみました。「ヘイグ・ロード・マーケット&フード・センター」という大きな赤い看板が目印ですが、よく見ると「海格路巴刹与熱食中心」という中国語も書いてあります。多民族国家シンガポールらしい玄関ですね。ちなみに、シンガポールの国語のマレー語では、市場は「パサール」といいます。

近場の海外旅行でおもしろいシンガポール 高層団地にあるローカル・マーケット(その2) 近場の海外旅行でおもしろいシンガポール 高層団地にあるローカル・マーケット(その2)

海を越えてやってくる野菜やくだもの

市場の建物の中に入ると、通路をはさんで店舗が整然と並んでいます。野菜売り場には、にんじん、トマト、きゅうりなどのおなじみの野菜のほか、カイランやパクチョイなど華人(中国からの移民の子孫のこと)が炒めものなどによく使う青菜も顔をのぞかせています。商業施設や宅地の開発で農地が減ったシンガポールでは、今や食材の9割以上を輸入に頼っています。よって、野菜類はお隣の農業国マレーシアや中国から来ていたり、果物ならタイやフィリピン、乳製品なら酪農の盛んなオーストラリアという具合に世界各地から輸入されています。お客も慣れたもので、野菜や果物の種類によって、どこの地域が安くておいしいか知っているようです。

鮮度抜群の魚介類コーナー

鮮魚の売り場には、切り身ではなく、一尾のお魚がずらりと並んでいます。シンガポールの華人は、蒸し魚やかに・えびなどの海鮮料理を好みます。わりとあっさりした味付けなので、出来栄えは鮮度がものをいうそうで、スーパーマーケットでパック詰めされて売られているものよりも活きのいい、市場の魚類は人気があります。歩いていると、外見からは地元の人と区別がつきにくいわたしは、「小姐(シャオチエ)!」(おねえさん)と声をかけられます。売り手と買い手の距離が近いのも、市場の魅力です。

中国語、英語、マレー語が飛び交う市場

シンガポールの国民は、7割以上が中国系の華人で多数派を占めています。ただし、華人みんなが公用語の北京語を話しているわけではなく、出身地域によって福建語や広東語、上海語、潮州語、客家語など中国南部の地域語で日常生活を送っています。このほかに、シンガポールにはインド系やマレー系の人びとも暮らしているので、民族を超えた共通語として英語が使われている理由がよくわかります。(その3に続く)