シンガポールでマストの観光地といえば?

シンガポールは東京23区とほぼ同面積の小国ですが、せまい国の中に見どころがひしめき合っています。もしもその中で一箇所、“ここだけは外せない”観光を選ぶとしたら、私なら迷わず「シンガポール川をボートクルーズしてマーライオンを見ること!しかも夜!」と断言します。マーライオンは国内に計5体ありますが、ここで言うのはもちろん河口のマーライオンパークのものです。1972年に造られたこのマーライオンは、他の4体よりも造型の優美さが際立っており、さすがオリジナル、格が違うと思わせます。

シンガポールのボートクルーズは、夜がおすすめ! シンガポールのボートクルーズは、夜がおすすめ!

「世界三大がっかり」なんて呼ばせません!

旅行者の間では「世界三大がっかり」の一つと呼ばれていましたが、それはポンプの故障のために口から水を吐かなかった時代の話。2002年にポンプが修理されて毎日盛大に水を吐くようになると、また観光客が戻ってきました。上半身がライオンで下半身が魚というマーライオンの不思議な姿は、シンガポール建国の伝説に基づいています。11世紀、マレーシアの王族が海からこの地にたどり着いたとき、ライオンが現れてここを治めることを王族に許して消えていった、という伝説です。また、この地は昔「トゥマセク」という古代都市が栄えており、トゥマセクとは海を意味することからマーライオンの下半身は海を象徴する魚の姿になったのです。マーライオンは国の守り神なのです。

気軽に乗り込めるリバークルーズ

マーライオンパークで間近に見たり、桟橋から眺めたりするのもいいでしょう。しかしマーライオンが威厳ある「国の守り神」としての本来の姿を現すのは、なんといってもボートから眺めるライトアップの姿です。川沿いには数カ所のボート乗り場があり、予約は不要。年中無休で夜10時まで運行しています。気軽に乗り込み、さあ出発。シンガポール川は平坦な国土の都心を東西に流れる穏やかな川ですから、船酔いの心配もありません。

マーライオンが最も映えるのは?

実際に夜のリバークルーズに乗船してみて感動したことが、二つありました。一つは、橋の下をボートがくぐるときの水音。川の上ではボートの立てる音は周囲に消えていきますが、橋の下では水音がパシャーン!パシャーン!と高く反響して、なんともいえない心地よさです。川にはいくつも橋が架けられているので、次の橋が見えてくると「もうすぐもうすぐ」とワクワクします。もう一つは、川からだと視点がより低くなるため、マーライオンを始め、ライトアップされた歴史的建造物やビル群が、いっそう堂々と迫ってくることでした。キラキラ輝く夜景が川面に映り込むと美しさも2倍となり、“風景を見ている”のではなく“風景のまっただ中に入っていく”感覚になります。初めてシンガポールに行く方はもちろん、リピーターの方も初心に帰って夜のボートに乗り込み、この国の守り神を見上げてみましょう!