シンガポール随一の、大自然の懐へ、いざ

経済的に躍進を続けるシンガポールですが、人工的に造られた動物園でも植物園でもなく、原始の自然の姿に触れたい……そう考えたら、迷わずウビン島へ行ってみましょう。シンガポール北東部、ジョホール海峡にある離島です。市内から行くよりも、最東端のチャンギ国際空港から行くほうがずっと早いので、たとえばトランジットの合間に5、6時間あれば十分に楽しめる穴場でもあります。空港からタクシーで15分ほどのフェリーターミナルまで行き、そこからボートで10分という好アクセス!私も、チャンギ空港から入国した後、直接フェリーターミナルへ向かってみました。

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ウビン島では、犬も蚊もあなたが大好き

ボートに時刻表は存在しません。朝6時ごろから夜11時ごろまでの間、乗員人数が12人集まり次第出航します。チケットセンターも改札もなにもなく、12人集まったらゾロゾロ乗り込み、船の中で片道分2.5シンガポールドルを支払います。小型のおんぼろなボートは旅情たっぷり。ごく短い船旅のあと、いよいよ上陸すると、野良犬たちが「なにか食べ物ちょうだい」とすり寄ってきます。同時に、蚊もいっせいに寄ってきます。「モスキートコントロール(デング熱の原因となる蚊を撲滅させるための環境庁の課)」もこの島には手が届かず、たくましい蚊と格闘しながらも「シンガポールって本来はこうだったんだなあ。熱帯の島なのだから」と思い知ります。島での足は、レンタサイクル。軒を並べたレンタサイクル店から好みの1台を選びますが、ブレーキが利くか、チェーンがゆるんでいないか、よく確認しましょう(私はチェーンがしばしば外れて困りました)。日頃の運動不足が心配だけど、いざ出発。見上げる木立の中を漕ぎ始めます。

島民は現在たったの50人。開発から取り残された島

ウビン島は、シンガポールで唯一、都市開発のされていない小島です。昔は3000人を超える人が住んでいましたが、現在では50人ほどに激減しました。ということは、サイクリング中もたまにすれちがう観光客以外、ひとけが全くないということ。犬や猿、オオトカゲ、そして頭上で休みなく鳴き交わす野鳥に囲まれて、熱帯雨林の中に延びた道を漕いでいきます。本島では絶滅した希少な動物も、運が良ければ見ることもできるそうです。運動不足の体にはちょっぴりこたえる登り坂、小石にタイヤが取られそうな未舗装道路の下り坂、どこを漕いでも爽快です。

職員が見回っているので一人旅でも安心。

タイ仏教寺院やリゾートホテルもありますが、とくにマングローブ林の広がるチェク・ジャワというポイントと、採石場跡地の美しい湖は必見。そして未開発といえどもさすがシンガポール、島のビジターセンターの職員が自転車や車で適宜見回っていて、チェーンの具合を見てくれたり、バードウォッチングの手引きをしてくれたりします。私はなぜか「ココナッツジュースを飲みたい?」と聞かれ、生のココヤシをなたで割って飲ませてくれました。要所要所に看板や標識があるので一人でも安心してサイクリングを楽しめますよ!