歴史ある繁華街のオーチャードへ

巨大なショッピングセンターが建ち並ぶシンガポール。マリーナ地区の開発に伴って、観光客の注目はそちらへ集まりがちですが、古くからの繁華街といえばやっぱりオーチャードです。高く生い茂る街路樹が続く大通りをのんびり歩けば、「南国の都会に来た」という実感が湧いてきて、誰でも足取りが軽くなってきます。このオーチャード・ロードには、2009年ごろから続々と新しいショッピングセンターが開業しました。さてどこへ入ってみましょうか?

“あの”水玉アートも見られます!シンガポール、オーチャードのショッピングセンター “あの”水玉アートも見られます!シンガポール、オーチャードのショッピングセンター

オーチャードきってののっぽなショッピングセンターで待つアートとは!

私のおすすめは、MRT南北線サマセット駅から徒歩3分の「オーチャード・セントラル」。地上12階建てという高さがひときわ威容を誇る、ガラスを多用した超近代建築です。シンガポール人デザイナーのショップを多く入れていることや、ベトナム料理やしゃぶしゃぶなどレストランを充実させていることが売りのようですが、私がここを訪れた目的は買い物でもグルメでもなく、「アート」でした。地下2階と屋上庭園のデザインをインテリア設計事務所「スーパーポテト」の杉本貴志氏が担当し、館内には現代アート作品があちこちに展示してあるのです。一歩入ればすぐに「Shopping Girl」という巨大アートがお出迎え。期間限定の展示もあります。「Shopping Girl」以上にインパクトがあるのは、我らが日本人アーティストの代表、草間彌生さんの「Let's Go To a Paradise of Glourius Tulips,2009」という屋外展示です。屋上庭園にある、さして大きくない作品ですが、水玉の繚乱は他のアーティストの追随を許さない力強さ。南国の太陽に照り映えて、いっそう強く水玉がまぶたの裏に焼き付きます。

屋上庭園の眺望も楽しみましょう

屋上は眺望もすばらしいです。低層建築、高層建築、つねに何かを建てている工事現場が入り乱れて無秩序な景観となっているところへ、水玉アートが無秩序さにとどめを刺しているかのようです。私は大雨と晴天のときと2回見に来ましたが、屋外展示は天候や時間帯によって印象ががらりと変わるところが醍醐味でしょう。草間彌生作品の他にもいろいろな作品があり、針金をグルグル丸めて人の形にしたアートは、晴天のもとではまるで青空に向かって駆け出して行きそうな躍動感があり、暗い雨の中で見ると同じアートとは思えないくらいに不気味な雰囲気を湛えていました。

異彩を放つ「セントラル」は旅行者のオアシス?

オーチャード・セントラルは、次々オープンするショッピングセンターの中では異質な存在です。正直な印象としては、ショッピングのゾーンはなんとなくがらんとしていて活気がなく、成功した店舗とはいえない感じです。しかしレストランは充実していてアートを身近に楽しめて、旅行者にはうってつけのスポットかもしれません。建物の高さを利用したアート展示や室内クライミングの練習場なども、個性的で見る価値アリですよ。