私の目当ては「チームラボ」!

シンガポールアートミュージアム(SAM)には、特別展示室一室をまるまる使って、日本から招聘され初参加を果たした「チームラボ」のインスタレーションがありました。作品名『秩序がなくともピースは成り立つ』というのは、チームラボ代表の猪子寿之氏の故郷である徳島県の「阿波踊り」から着想を得たという、このビエンナーレのための新作です。私はこれが見たくて日本から飛んできたといっても過言ではありませんでした。なぜなら、チームラボには数年前から猪子さんへのインタビュー記事などで強い興味を持っていたのに、日本での本格的な展示はほとんどなかったからです。チームラボは、日本よりも香港や台湾といった近隣の国でいち早く注目され、紹介されているアーティスト集団です。

「シンガポールビエンナーレ2013」報告!(その2) 「シンガポールビエンナーレ2013」報告!(その2)

日頃のおこないの良さのおかげ?なんとアーティストご本人と遭遇

SAMは複雑な構造をしており、どこからどうまわっていいものか、と迷っているうちに、なんと会場併設のオープンカフェで、たまたま代表の猪子さんご本人ともお会いすることができました!遠くから見てもピカピカとオーラを放っている日本人男性を見て、すぐに「猪子さんだ!」とわかりました。「日本からチームラボを見に来ました!大評判のようですね!」と声をかけると、「おかげさまで、シンガポールで最大手の新聞『THE STRATES TIMES』の一面に載せていただいたんですよ。」と気さくに話してくださいました。お目当てのアーティストご本人にお会いできるなんて、本当にラッキーでした!

強制された秩序がなくとも、ピース(平和)は自然と湧き上がってくるもの……

『秩序がなくともピースは成り立つ』は「インタラクティブデジタルインスタレーション」です。というとなんだか難解そうですが、展示室の中に一歩入ると、理屈抜きで心から湧き上がるピースフルな高揚感に、自分でもとまどうほどです。56体の人間や動物が踊る映像をホログラムで投影し、見学者が近づいてきたことを感知して踊り手たちが合図を送ったり踊りをやめてこちらを見たりしてくるという、まさにインタラクティブなアートなのです。たまたま空いていたのをいいことに、私はこの部屋に長々30分くらい滞在してしまいました。この作品は全作品の中でも大人気で、開催当初は行列ができて入場制限がかかったほどだそうです。この楽しさや幸福感を味わえるのなら、行列もうなずけます。(その3へ続く)