日本人アーティストは他の作品でも秀逸

この他にも、奇々怪々なもの、社会の問題を提起してくるもの、微笑ましいもの、さまざまなアジア各国のアートを楽しめます。チームラボ以外で私が印象に残った作品は、Ken+Julia Yonetaniというアーティストユニットの「クリスタルパレス」というものでした。真っ暗な部屋にグリーンのシャンデリアが無数に下がっています。それぞれに国の名前がついており、シャンデリアの大きさは、各国の原発の基数に相当しているのです。原発大国のフランスやアメリカは、豪華なシャンデリア。我が日本のシャンデリアもありました。原発にクリティカルな姿勢を見せているのはもちろんですが、やっぱり電気は“美しい”と感じさせるところがポイント。ひねりの利いた批判でした。

「シンガポールビエンナーレ2013」報告!(その3) 「シンガポールビエンナーレ2013」報告!(その3)

批評性を帯びていても、アートは美しい!

全体を通して見てみると、アートを自分の暮らす国/社会への批判として表現している作家がきわめて多いことに気づきます。フィリピン、ラオス、ミャンマー、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、カンボジア、そしてシンガポール。アジア諸国それぞれが抱える現代的な問題を、時にストレートに、時にユーモアを交えて見せようとしています。しかもそれらは、ただ批判をするだけでなく、アートとして美しく、うっとりと惹きつけられる魅力を湛えているのです。

「ビエンナーレ目当ての旅」もおもしろい

周りの見学者を観察していると、シンガポール人がほとんどのようでした。ちょうど休日だったので、家族連れや友達同士でアートイベントを楽しんでいる様子でした。次は2015年、「また来たいなあ」と思いながら蒸し暑い街を飽きずに歩き回りました。シンガポールは小さい国で、ありきたりの観光ならリピートするうちにたいてい済んでしまいますが、2年おきにビエンナーレを目的に旅してみるのもいいですね。各美術館は、常設展示や建築も充実していてお勧めですよ(運が良ければ、私のようにアーティストご本人にバッタリお会いできるかも?!)。 追記:このあと、2014年2月28日から3月22日にかけ、チームラボ初の国内での大規模展覧会が、佐賀県の4会場で開催されました。アジア各国の美術展で得た高評価を経ての、凱旋展覧会ともいえます。