レストランはなかなかおいしそうでした

「ジュロン・フロッグ・ファーム」の売店では、皮をむいただけの、丸ごとのカエルの生肉が売られています。カエルだけでなく、なぜか冷凍ワニ肉などの珍しい肉もありました。レストランの料理はもちろんフレッシュなカエルのフライや炒め物など。メニューは一皿あたり10〜18シンガポールドル(2015年現在、日本円で約950〜1710円)ほどでした。養殖場見学ではなく、ただ食事をする目的で来ている人も多いようです。さて、いよいよ飼育エリアへ進んでみましょう!

シンガポールの農畜産業・2 ゾッとする? なんとカエルの養殖場もあります!(その2) シンガポールの農畜産業・2 ゾッとする? なんとカエルの養殖場もあります!(その2)

音とにおいに戸惑いつつ……

ここに着いたときから気になっていたことが二つありました。一つは、「ゴー、ゴー」「ブオー、ブオー」というように鳴り響く低い音。もう一つはなんともいえない、湿気を含んだにおいでした。いろいろな場所に、ポップなタッチの手描きの絵が描かれています。愛嬌たっぷりなカエルの姿と、ユーモアのある英文の注意書きです。水槽のある飼育エリアの入り口には、「カエルは噛みつくよ!自分の責任で入ってね」。ひとけがほとんどない養殖場で、そのカラフルな絵や注意書きはかえって物淋しさを際立たせています。水槽に近づくと、音と匂いがますます強まりました。

本物の養殖の姿に圧倒されます

それはカエルの鳴き声と、水槽からの匂いでした。ゲロゲロなどというかわいらしい鳴き声とはほど遠い、聞き続けていると気が滅入ってくるような音です。水質はきれいに保たれていますが(水質の保全は養殖の絶対条件だそうです)、それでも水槽の壁には苔がびっしりと生えているし、このにおいがカエルそのもののにおいなのでしょう。そして目もくらむほどのカエルの数。ここまで山のような数のカエルと、地響きのような声と、肺の奥まで湿っぽくなってきそうなにおいに取り囲まれていると、さすがに気持ちが悪くなってしまいました。カエル養殖の仕事は楽じゃないな……と思いながら、飼育エリアを出て、再び売店へ戻りました。バスを降りたときのうきうきした気分は消え、ここでカエル肉を生産しているお仕事にただただ頭が下がりました。(その3に続く)