食べるだけが目的ではない旅へ

旅に出てその国のグルメを楽しむのは、誰でも大好き。そのときに、「この料理の素材は、どこから来たんだろう?自国で生産しているのかな?輸入かな?」と考えたことはありませんか。私は食物に興味があって、旅行中はしばしばそんなことを考えています。熱帯の都市国家シンガポールへ初めて行ったとき、多彩な食文化に圧倒されながらも、「この国の農畜産業はどうなっているのだろう」という興味が頭をもたげてきました。今回は、シンガポールでの農畜産業への取り組みについて、(あくまでも旅行者目線で)4種類の事例をレポートします!

シンガポールの農畜産業・1 シンガポールで野菜作り? 農園地域へ行ってみよう(前編) シンガポールの農畜産業・1 シンガポールで野菜作り? 農園地域へ行ってみよう(前編)

食料自給率7%のシンガポール

シンガポールの食料自給率は、現在ではわずか7%ほどです。1960年代から70年代には約20000軒あった農家は、80年代から激減していきました。増大を続ける住宅や企業へと、農地が変えられていったためです。しかし、食料の調達を輸入に頼りすぎることは国にとって危険です。シンガポールの農食品獣医庁は、国内の農業生産を高めることを目指しています。国内に点在する農地の中でも、観光客の人気を集めているのが、西北部のクランジです。「クランジ・カントリーサイド」という、見学や買い物も可能な農場の組合があるためです。私もここをまわってみることにしました。

アクセスは簡単そうで意外とわかりづらい

とはいえ、思っていたよりもアクセスが難しくて、到着までに時間がかかりました。MRT南北線クランジ駅までは順調でしたが、昼前に着いた駅前にはとてつもなくたくさんの人が行列していたのです。駅前がバスターミナルになっていて、皆バス停に並んでいるのでした。いろんな人に尋ねてみても、誰一人として「クランジ・カントリーサイド」のことを知らないのです。行き方について下調べを何もしていませんでしたが、とりあえずクランジ駅に行ってみれば案内板やパンフレットがあるものとばかり思っていたのは甘い考えでした。

シャトルバスを乗りこなそう

途方に暮れていたとき、駅の柱に貼ってある黄色いバスの写真が目に入りました。それが「クランジ・エクスプレス」という、農園同士を結ぶシャトルバスだったのです。8:30から19:00までの間、山手線の内回り・外回りのように二方向に循環しています。運転間隔は、1時間から2時間に1本というくらい。2シンガポールドル(2015年現在、約190円)で乗り降り自由です。次のバスが来るまで30分ほど時間があり、駅のカフェテリアで発車を待ちました(メニューが充実していて、なかなかおいしそうでした!)。さあ、短期旅行者がめったに行く機会のない、シンガポールの別の顔を見に行ってみましょう! (後編に続く)