生い茂る緑はまさに都会のオアシス。でもそれだけではないのです

シンガポールはもともと熱帯の小島です。都会的なイメージが強い国ですが、中心部にいても熱帯植物の旺盛な生命力を感じることができます。シンガポール中心部で、たっぷりの緑を楽しみたくなったら、「フォート・カニング・パーク」へどうぞ。MRTブラス・バサー駅またはシティ・ホール駅から徒歩10分ほどで着ける、都会のオアシスです。しかしここはただの公園ではなく、シンガポールの歴史上とても重要なスポットでもあるんですよ。シンガポールの歴史をたどる散策へ、出かけませんか。

森林浴と歴史の探訪を、両方欲張りに楽しめます! 森林浴と歴史の探訪を、両方欲張りに楽しめます!

よく整備された公園で気持ちのいい週末を

私がこの公園を訪れたのは、ちょうど日曜日。シンガポール市民のくつろぎの場所として、彼らは芝生やちょっとした木陰にシートを敷き、思い思いに過ごしていました。ハトたちが食べ物のおこぼれを狙って舞い降りてきます。冷たい飲み物を売る自転車の屋台が、パラソルを差して営業しています。日中は暑いので、散歩する人々も皆のんびりした足取り。これが典型的な週末の風景なのでしょうね。

「なんだろう?」近づいてみると、本物の灯台でした 「なんだろう?」近づいてみると、本物の灯台でした

およそ18ヘクタールの公園は見どころがいっぱい

そんな地元の人気スポット「フォート・カニング・パーク」の歴史は、14世紀にまで遡ります。ここにはもともとマレー人の王が住んでいました。一般の人間は立ち入れなかったため、「禁断の丘(Forbidden Hill、マレー語で「ブキッ・ラランガン」)と呼ばれていました。19世紀初めにラッフルズが上陸すると、ここに居を構えます。標高163メートルある丘の上ですから、少しは涼を取れたことでしょうね。その後の総督たちも、代々ここに住むことになりました。

日曜日はピクニック気分の人が歩いています 日曜日はピクニック気分の人が歩いています

まずは“シンガポールの父”ラッフルズ卿ゆかりのスポットへ!

園内の南側に「ラッフルズ・テラス」というひときわ上品な雰囲気のある一角があります。一段高くなっている場所に建つ「ラッフルズ・ハウス」という瀟洒な建物がラッフルズ卿の住んでいたバンガローです。今は結婚式などのイベントに使われています。窓からのぞいてみると、がらんとしていて、ふだんは建物の中には入れないようでした。

ラッフルズ・ハウスは美しくかわいらしい外観 ラッフルズ・ハウスは美しくかわいらしい外観

歴史ある場所から最新の街並みを見下ろす、ぜいたくな時間

しかしこのラッフルズ・ハウスから見下ろす眺めは、なんともいえない味わいがありますよ。フォート・カニング・パークの豊かな緑の向こうにビル群があり、真正面にはマリーナ・ベイ・サンズが位置しているのです。ぜひ階段を登って、ラッフルズ・ハウスの正面玄関から見下ろしてみてくださいね。このラッフルズ・テラスだけでなく、園内にはさまざまな興味深い史跡があります。後編ではそれらを細かくたどっていきましょう! (後編に続く)

マリーナ・ベイ・サンズが意外と近くに見えます マリーナ・ベイ・サンズが意外と近くに見えます