つい通ってしまうレストラン

スリランカのコロンボに滞在していた時、旧市街の官庁街近くに見つけたレストランを、なんだかやけに気に入ってしまいました。だだっ広い店内、一段高い帳場には、インドと同じく店主が睨みを利かせて座っています。従業員は、清潔な白い制服姿でキビキビと立ち働いています。こういう店は、まず間違いがありません。カレーパン、フィッシュカレー、ポテトカレー、コロッケ、ダルカレー、どれを食べても美味でした。2度目に行けば、「オッ!」と手を挙げると、タイミングよく空いている席を勧めてくれます。3度目にもなれば、向こうから挨拶してくれます。こうなればもう常連のようなものですね。店に行くだけで楽しくなります。

コロンボの名店「タージレストラン」 コロンボの名店「タージレストラン」

スリランカで見つけたソーメン?

このお店の名前は「Taj Restaurant」。基本的にはショーケースの中に入った料理を注文し、温めてから出てきました。その中で、気になる料理がありました。どう見ても、それは日本のソーメンのようなのです。名前はインド南部のタミル語で「イディヤパム」。英語では「ストリングホッパーズ」。インド南部で食べられる「アパム(英語名ホッパーズ)」という米粉で出来たクレープのような料理があります。これを蒸して穴の開いた容器に入れて、押し出して出来上がったのが、このソーメンのような、イディヤパムだったのです。ストリングは「糸」の意味なので、英語では、糸状になったホッパーズという意味なのでしょう。これにカレーをかけて食べるのです。食べている人を見ていると、どうにもおいしそうに思えてなりませんでした。

くっついて離れない麺なんて、あっていいのか?

ある日、イディヤパムとフィッシュカレーを注文しました。イディヤパムは冷たいままです。そこに温めてもらったカレーを掛けます。フォークももらって、いざ掬おうとしたところ、麺がくっついてダマになってしまいます。よくソーメンをゆがいて、しばらくそのままにしておくとくっついてしまいますよね。あの状態なのです。ところが従業員はその状態で食べるのだとうなずいています。食べてみましたが、カレーが麺の全体に行きわたらずにおいしくありません。ハズレかなと思ったのですが、現地の人はみんな手で食べています。そうだ、手で食べるのだ。真似してみました。カレーがよく沁みるようにソーメンにこねます。適度な大きさにちぎって口に運ぶと、あら不思議。抜群においしくなっているのでした。スリランカから帰ってきて以来、ふと食べたくなってしまいます。みなさんもスリランカ、あるいは南インドに行ったなら、ぜひ食べてみてください。