豊作のお祝いから悪魔祓いまで スリランカを象徴する多様な踊り

キャンディアン・ダンスでは様々な踊りを観ることができますが、どの演目もさほど長くはなく、次から次へとテンポ良く展開していくので、飽きることはありません。「マユーラ・ナトゥマ」とよばれる孔雀の舞では、孔雀をイメージした女性の可憐な動きが見どころ。「クル・ナトゥマ」と呼ばれる豊作を祝う踊りでは、女性が農作業に使う「篩(ふるい)」を持って素朴に舞います。「ラクシャ・ナトゥマ」はスリランカ南部の悪魔祓いの踊り。ガルーダという神話上の鳥とコブラの戦いを表現した演目がよく取り上げられます。二人の演者が仮面をかぶって舞うこの踊りは、現在でもスリランカ南部で治療として行われていて、「ヤク・ベラ」という両面太鼓から繰り出される低音のリズムに、いつの間にか引き込まれてしまいます。

キャンディに行ったら必ず観たい!おすすめの「キャンディアン・ダンス」(後編) キャンディに行ったら必ず観たい!おすすめの「キャンディアン・ダンス」(後編)

火渡りの儀式 「ギニ・シシーラ」

一通りの演目が終了すると、締めくくりのファイヤーダンスです。これは会場によっては、屋外に場所を移して行われます。これもスリランカ南部の低地の踊り。人間に災いをもたらす悪魔に打ち勝つ力があるということを示すために、火を食べたり、手に持った松明(たいまつ)を自分の身体にあてたり、さらには口に含んだガソリンを松明に吹きかけて大きく炎をあげたりします。燃え盛る炭火の上を歩くファイヤー・ウォーキングも披露されますが、トランス状態に入ったダンサーは火傷することもなく、無傷なのが実に不思議。これはインドの叙事詩「ラーマヤーナ」で、魔王ラーヴァナに誘拐された、ラーマの妃シータが貞節を証明するために炎の上を歩いたが無傷だった、というエピソードに由来するものです。

キャンディアン・ダンスはどこで観られる?

キャンディアン・ダンスを開催しているのは、「キャンディ・レイク・クラブ」、「キャンディ芸術協会」、「Y.M.B.A.(Young Men's Buddhist Association)」の3箇所で、どこも約一時間のショーで料金は500ルピー(約400円)。キャンディに3日以上滞在する人は、それぞれの会場で見比べてみるのも面白いでしょう。キャンディ芸術協会は仏歯寺のすぐ裏手にあるので、一泊しかしない人は、キャンディ芸術協会でキャンディアン・ダンス(午後5時開始、午後6時ごろ終了)を観て、午後6時半からのキャンディ観光の目玉「仏歯寺」のプージャを観るのが効率的でおすすめです。残り2箇所の会場は午後5時半からのスタートです。