ジャングルの中の奇岩「シギリヤ・ロック」

スリランカを代表する世界遺産であり、スリランカの遺跡巡りのハイライトといえるシギリヤの遺跡は、古代遺跡が集中する「文化三角地帯」の中に位置します。シギリヤを目指すと、広大な平原のジャングルの中央に聳え立つ巨大な切り立った奇岩が、忽然と姿を現します。その奇観は、まるでアニメ「風の谷のナウシカ」の王蟲(オーム)が腐海の中にたたずんでいるかのよう。さらに近づいて公園のように整備されたアプローチから正面のシギリヤ・ロックを見ると、その大きさ、急峻さに思わず感嘆の声が漏れてしまいます。

絶景!!奇観!!巨大な岩の上の宮殿跡 〜スリランカ「シギリヤ」〜 絶景!!奇観!!巨大な岩の上の宮殿跡 〜スリランカ「シギリヤ」〜

王位継承のゴタゴタによって築かれた王宮

垂直に切り立ったシギリヤ・ロックは高さ200m。岩の頂上には紀元5世紀の王宮跡が残されています。なんでまた、こんな不便なところに王宮が築かれたのでしょうか。その理由は王位継承のゴタゴタによるものです。シンハラ王朝時代、父王を殺害して王位を奪った狂気の王カッサパ1世は、平民出身の母を持つ自分が、王族の血を引く義母弟に王位を狙われることを恐れ、この難攻不落の岩の上に自分の要塞宮殿を築いて、18年間の在位のうち11年をここで過ごしました。しかし結局は、亡命先のインドから援軍を引き連れてきた弟王子との戦いに敗れ、カッサパ王は自分で喉を掻き切って自害し、シギリヤは陥落してしまうのです。

19世紀に発見された壁画「シギリヤ・レディ」

わたしがシギリヤを訪れるきっかけとなったのは、中学生の頃に見た歴史図鑑に載っていた「シギリヤ・レディ」と呼ばれる壁画でした。夢がかなって本物の壁画を前にしたときは感激しました。シギリヤ・ロックの中腹の窟の壁に描かれた半裸の美女達は、現在18人の姿が残っています。蓮の花を持つたおやかな指先や豊満な胸、くびれた柳腰、そして妖艶な微笑が繊細で柔らかいタッチで描かれていて魅了されます。かつては壁のいたるところに500人ほど描かれていたそうですが、残っていないのが本当に残念!!

シギリヤの頂上に立つ

垂直に聳えるシギリヤ・ロックですが、後世になって岩肌に簡易通路や手すりが設けられました。わたしたちはこれを利用して頂上まで登るのですが、これでもなかなかスリルがあります。1500年前の王様はいったいどうやって昇り降りしていたのでしょう。頂上の王宮、給水設備、要塞などの建築と土木工学のレベルは非常に高かったといわれていますが、今では王宮跡は土台の部分と玉座が残るだけです。ここからの展望はまさに絶景、遥か遠くまで見渡せます。渡る風の音を聞きながら往時の繁栄を想像すると、歴史とロマンを感じずにはいられません。