台湾最南端のリゾートが舞台

長い間ヒット作に恵まれなかった台湾映画界に久々の超大作が生まれたのは2008年夏のことでした。興行成績は映画『タイタニック』に次いで、台湾歴代2位。台湾映画史上で空前の大ヒット作となった『海角七号 君想う、国境の南』(原題:『海角七號』)は、台湾の最南端、白砂のビーチとエメラルドグリーンの海が美しい、恒春半島の墾丁を舞台にした恋愛映画です。

アジアンエンターテイメント 映画でふれる台湾『海角七号 君想う、国境の南』 アジアンエンターテイメント 映画でふれる台湾『海角七号 君想う、国境の南』

今もっとも注目される台湾人監督

監督・脚本は台南出身の魏徳聖(ウェイ・ダーション)監督。台湾ニューシネマを代表する監督のひとり、故・楊徳昌(エドワード・ヤン)氏の助監督を務めるなどした後、日本人女性と台湾人男性の時空を超えたラブストーリーを描いた『海角七号』で一躍有名になりました。その後、日本統治下の台湾中部で起こった抗日暴動、“霧社事件”を題材にした『セデック・バレ』(原題:『賽徳克・巴莱』)を監督するなど、今台湾でもっとも注目されている映画監督と言っても過言ではありません。

台湾で活躍する日本人女優

また、この映画の主演のひとり、日本人女優の田中千絵さんは日本での芸能活動を経て、06年に単身で台湾に渡り中国語の勉強を開始。その頃の気持ちを綴ったブログを見た魏監督からアプローチがあり、映画出演に至ったという経緯があるそうです。台湾でミラクルヒットを飛ばし、幅広い年代に人気を博した『海角七号』によって、今では台湾人で彼女を知らない人がいないほど人気女優となりました。

ビーチリゾート墾丁(クンディン)の魅力

映画の舞台となった墾丁は、台湾高速鉄道(通称:台湾新幹線)の南の終点駅「左営駅」からバスで約3時間。熱帯性気候に属し年間の平均気温は約20度という、台湾きってのビーチリゾート。1年を通してマリンスポーツが楽しめるのはもちろん、ロックコンサートも毎年開催されるなど台湾人だけでなく、台湾を訪れる外国人達にも人気の高いリゾートとなっています。また、墾丁がある恒春半島には清朝時代に建てられた古い城壁も残っており、歴史を感じさせる街並を巡る楽しみもあります。これらの美しい景観と、人情味あふれる老若男女が登場するこの映画は、ギュッと凝縮された台湾の魅力が楽しめる贅沢な1本です。