四天王像の大きさにまた仰天

堂内に入ってみると、視界に制限がかかる分、さらにこの建物の巨大さがひしひしとわかります。最初に入る最下層階は、人間界を表しています。人間界はまだ穢れているので、それを表現するため、壁の色はグレーです。高さ12mもある四天王像によって天井を支えられている体裁をとっており、黒花崗岩のその像の前に立つと射すくめられるような気持ちになります。上階に上がるにつれ、壁石の色がきれいになり、最上階は真っ白だと聞きましたが、一般の見学者はそこまでは入れません。

行けば絶対「これはすごい…」とため息が漏れる、台湾の超巨大寺院(後編) 行けば絶対「これはすごい…」とため息が漏れる、台湾の超巨大寺院(後編)

併設の各施設も必見ですよ!

ここは観光地ではなく、あくまで宗教施設なので、日本の観光ガイドブックにはほぼ紹介されません。しかし、台湾や中国から、熱心な信者の団体ツアーが頻繁にやってきます。私も団体ツアーに交じってまわってみました。一つ一つの仏像の前でガイドさんの解説に聞き入り、写真を撮ったり体を二つに折って拝んだりしています。彼らのストレートな感動を間近に見ていると、その熱気に圧倒されてしまいました。堂内も圧巻ですが、併設されている博物館も膨大なお金のかかっていそうな充実したコレクションで、一見の価値があります。

埔里の豊かな自然に抱かれて、思うこと

なんだか長い旅をしてきたような気分になって再び外へ出てみると、来るときには気に留めていなかった埔里の豊かな自然が目に飛び込んできました。世界中どこへ行っても、自然というのはともかく等しく美しいものです。そこに、人間がどんな痕跡を残すか、このことでその場所には新たな意味が加わってきます。ここは「仏様の存在に近づくにふさわしい霊性を帯びた場所」として、選ばれたのでしょう。心地よい風に吹かれながら周囲の山々を眺めていると、そう感じられました。

この寺院は「見学」というより「体験」

この寺院を、「権力欲の誇示。悪趣味」と一蹴する人もいるようです。たしかにそう見えてもしかたのないほどの、すべてにおいて桁外れな建物です。けれども一度訪れて、そのスケールを体感するのは決して損な経験ではないはず。それはやはり写真ではなく、実際に見に行ってみないと感じ取れないことなのです。台湾中部の埔里は見どころいっぱいののどかな土地です。埔里からちょっとだけ山に入って(帰りの足を確保して)、この超巨大寺院を体験してみてください。