アクセス至便、台北近郊の温泉博物館へ!

台湾が温泉の宝庫であることはよく知られていますが、今回はお湯に浸かるだけでなくもう一歩踏み込んだスポットをご紹介します。台湾で最も有名な温泉郷「新北投温泉」にある「北投温泉博物館」です。台北からならMRT淡水線「北投」駅から新北投支線に乗り換えて終点下車。都心から約30分で到着するというアクセスのよさ。ここに、日本ととてもゆかりの深い博物館が建っています。

台北、新北投温泉に行ったらぜひ立ち寄りたい、北投温泉博物館 台北、新北投温泉に行ったらぜひ立ち寄りたい、北投温泉博物館

日本統治時代の遺物が負った新しい役目

この施設は、もともと日本統治時代に日本人の設計で公共温泉浴場として建てられました。その後すたれて廃墟同然となっていた建物が、大改修工事の末1998年に博物館として生まれ変わりました。和洋折衷の独特な建築が、のどかな温泉地の青空に映えます。北投温泉の歴史や温泉の効能について学べるので温泉好きにはもちろん楽しく、建物探訪目当ての人にもたまらない、なんともいえない味わいのある建築なのです。私は内外の建築物を見学するのが好きなので、駅前から続くゆるやかな上り坂を上がって、博物館が見えてきたときには心が躍りました! そしてこの奇妙で愛らしい建築そのものに、すっかり心を奪われました。

これぞ和洋折衷の粋!

「1階部分はビクトリア様式の洋風建築、2階部分は日本風木造建築」という触れ込みだけでもワクワクしていましたが、実際見てみると、上下でそんなにきっぱりと和風と洋風が分かれているのではなく、もっとごちゃごちゃと入り交じっているのです。2階の木造部分の木枠の窓にカーテンはかかっているし、障子と畳の大広間の廊下には西洋風ランプが下がり、れんが造りのバルコニーには瓦を載せた木造のひさしがかかっているといった具合です。こう書き出すとなんだか頭が混乱しそうですが、なぜかその奔放な、ディテールを超えた不思議なバランスが、“静謐さ”さえたたえているのです。おだやかな気候と、おだやかな人々の手で保存されているからでしょうか。外観を眺め、中を歩き回っていると、どんどん愛着がわいてくる建物です。

台湾と日本、切っても切れない絆を感じます

さて内部ですが、日本語VTRやボランティアの方のガイドもあるため、飽きることなく一巡することができます。私はとくにローマ式大浴場やステンドグラスの復元にすっかり感心しました。また、ここはラジウムを含むことで有名な北投石が、日本人地質学者の岡本要八郎により初めて発見された場所でもあるので、貴重な北投石の展示と解説も充実しています。北投温泉の開発から始まり、日本人との関わりを実感できるこの北投温泉博物館は、なんと入場無料!1時間あれば十分見て回れるので、温泉めぐりの合間にぜひどうぞ。