日本統治時代に発見された太魯閣渓谷の中にある温泉

「熱っつ〜う! これじゃ、のんびりお湯につかるどころじゃないよ!」と思ってしまいますが、この温泉がたまらなく好きです。温泉から見上げる切り立った崖といい、洞窟のような湯船といい、こんなワイルドな温泉は他にはありません。台湾東部の太魯閣渓谷の中にある文山温泉は、まさに秘湯といった感じです。太魯閣渓谷は、台湾東部を流れる河川の立霧渓が大理石の岩盤を浸食してできた大渓谷です。そこにある文山温泉も、大理石の岩盤から湯がわいている珍しい温泉です。日本統治時代の1914年、原住民族のタロコ族を討伐する時に、日本軍の深水少佐がこの温泉を発見しました。そのため、当時は、深水温泉と呼ばれていました。

2015年現在、温泉を楽しめるのは川底の部分のみで、ますますワイルドになっている 2015年現在、温泉を楽しめるのは川底の部分のみで、ますますワイルドになっている

ワイルドな温泉へは、どうやって行く?

これだけワイルドな文山温泉ですから、行くのが大変です。台湾東部の花蓮新駅前にある花蓮客運新站バスターミナルから文山温泉に行くことができるバスは、1日たった4本です。約3キロ手前の天祥までなら、午後6時頃まで1時間に1本程度はあるので、天祥行きに乗って、3キロは歩くのも手です。文山のバス停に着いたら、約300メートル先の泰山トンネルを目指します。トンネルの右側の遊歩道が文山温泉への遊歩道です。文山温泉は谷底にあるので、ひたすら降りて行きます。

ワイルド過ぎて、なかなか行けない理由

私が初めて文山温泉を訪れた頃には、なかった立派な更衣室が、今はできているようです。ここで水着に着替えて、谷底に降りていきます。台湾の温泉は、基本的に水着着用です。野生味あふれる露天風呂でも、日本のように裸では入れません。硫黄の匂いが漂ってきたら、文山温泉に到着です。私は3回挑戦して、3回目でやっと行けました。このあたりは切り立った崖だけに、大雨が降ると土砂崩れが起きやすく、頻繁に行けなくなるのです。

行けるときに、がんばって行っておこう!

洞窟の中とも覆いかぶさった崖の下にあるとも言える温泉のお湯は、無色透明です。太魯閣渓谷を眺めながら、つかる温泉って、いい気持ちだろうなあ。こんな想像をしていたのに、お湯の温度は45度以上。熱すぎて、のんびりつかるどころじゃありません。それでもこんなにワイルドな露天温泉は初めてだった上に、しかも無料! もちろん100点満点です。この文山温泉、閉鎖と再開を繰り返しています。2005年4月3日の土砂崩れ以降、2011年9月まで閉鎖されていました。現在は再開していますが、洞窟の中のような温泉はなくなってしまいました。そのかわり川底に石を積んだ場所が温泉になっています。文山温泉は、開放されている時に行ったほうがいい温泉ですよ!