「衛生署」職員にも尋ねてみました

このあとしばらく三地門を歩いて、「衛生署(日本の保健所にあたる)」にいた人たちにも霧台への行き方を尋ねてみましたが、やはり同じことを言われました。曰く、とても遠いし、山の中だ、道も悪いし、女性ひとりで行くのは危険。あまりにも危険だ危険だと言われるので、つい「どうして?ルカイってそんなに危険な民族なの?」と聞き返すと、めずらしく英語の話せる衛生署の若い男性職員はこう答えました。「いや、ルカイはとてもいい人たちだよ。でもなにしろ言葉がまったく通じないから、行ってもあなたは身動きとれずに困るでしょう。女性ひとりでは危険だよ。」

台湾の山奥へ。原住民の村を訪ねようと、女性ひとりでトライ(その3) 台湾の山奥へ。原住民の村を訪ねようと、女性ひとりでトライ(その3)

もはや潮時と悟り、帰ることに

なるほど、ヒッチハイクで行って帰りの足がなくなり、万が一、霧台から戻れず宿泊しなければならないということにでもなったら、日程の余裕のない短期旅行ではとても困ります。さすがにもはや潮時だとわかりました。私の友人がヒッチハイクで霧台へ行ってきたとも聞いていましたが、その友人の場合は男女何人かのグループでの旅でした。女が単身では無理か……。これまでの旅の経験から、女性の一人旅はたいていいいことばかりだと私は思っていますが、このときばかりは真に無念でした。「悔しい!いつか霧台でルカイに会うぞー!」と固く決心して、私の無謀な霧台アタックは終わりました。

当たって砕けてしまったけれど

衛生署のハンサムな男性職員さんは、私がしょげてしまったのを見かねて、三地門にある台湾原住民族文化園区(原住民の伝統的集落の展示や踊りのショーが見られる)へ連れて行ってくれました。しかしこの日は定休日の月曜だったため休館。彼はさらに気の毒に思ったらしく、屏東へ戻るバスのバス停まで送ってくれ、私のバス代も払って手を振って見送ってくれたのです。ルカイ族の村に訪れることは叶いませんでしたが、彼のやさしさは身にしみました。ちなみにこの人もパイワン族でした。バスを待つ間、「東日本大震災のあとに東京に旅行に行ったよ。みんなとても親切だった」とも語ってくれました。ルカイには会えなかったけれど、人情あふれ、美形率の高さにビックリした三地門行きでした。

これからも一人旅に出るぞ!と決意しました

女性がひとりで旅行するのは、危険よりも人からやさしくしてもらえることが多いというのが私の実感です。たしかに危険はつきものですし、この霧台へのチャレンジのように、断念せざるをえない局面もあります。けれども、それでも今までの旅を振り返ってみると、おしなべて「女でひとりだと得をしているなあ」と感じられます。女性の一人旅の皆さん、現地の人の言うことはよく聞いて、どんどん旅に出て行きましょうね。