「台湾産」という名前に惹かれて買った野菜

その野菜を見たのは、近所にあるスーパーの野菜売り場の片隅でした。「金針菜(きんしんさい)台湾産」とあります。大人になるまで見たことのなかった、不思議な形の野菜です。細長くて鮮やかな緑色ですが、葉っぱでもなく茎でもなく、なんなのかさっぱりわかりません。味の予想すらつきません。台湾旅行で台湾が大好きになっていた私は、「台湾産」という言葉にも惹かれてともかく買ってみました。帰ってから調べてみると、キスゲ(ワスレグサ)の花のつぼみで、生のものは炒め物にし、乾燥させたものは戻して、戻し汁ごとスープや煮物にするとのことでした。

台湾の野菜料理「金針菜の炒め物」は滋味あふれる味わいです! 台湾の野菜料理「金針菜の炒め物」は滋味あふれる味わいです!

シンプルな外見と調理から想像できないおいしさ

私が買ったのは青々とした生のつぼみだったので、さっそくごま油で炒めてみました。これだけで、立派な「炒金針(チャオジンヂェン)」という台湾料理になります。好き嫌いなく何でもおいしく食べる我が家ですが、この初めての野菜は、シンプルな外見に似合わない奥行きのある味わいに皆で驚きました。シャキッとした歯触りの中に、少しぬめりもあり、甘みがあって、野菜なのになぜかバターのようなコクも感じるのです。ごま油で炒めたのに「バターを使った?」と聞かれたほどです。うちの家族はすっかり金針菜のファンになりました。

知れば知るほど、小さな野菜の奥深さに驚く!

この金針菜は、鉄分が豊富なことで有名です。ほうれん草の20倍ともいわれています。薬膳料理にもよく用いられる健康食品です。薬効として、胃腸や肝臓の働きの改善、不眠やイライラの解消、学習能力が向上することなどが挙げられます。さすが花のつぼみ、エネルギーの塊です。小さくてもこんなにすごい力を秘めているのですね。ただし生のつぼみには毒があるので、必ず十分に火を通してから食べましょう。また、体を冷やす働きがあるので、基本的に夏の食べ物と心得ましょう。夏場に体にこもった熱を排出するのに役立ちます。暑い季節の長い台湾にはぴったりの野菜ですね。

台湾に行くのがまた楽しみになりました!

私は、まだ本場台湾で金針菜を食べたことがありません。スーパーで買ってきては自己流に炒めているだけです。次に台湾に行ったら、町中のレストランで注文してみたい食べ物の筆頭です。本場の味つけを知れば、自分の料理の参考にもなりそうですしね。健康野菜の金針菜を、あなたもぜひ本場で試してみてください。