日本人にも人気の台北の「阿宗麺線」とは?

「おいしいけど、とろっとしたスープは、寒い時期に食べたいなぁ」。私がぶつぶつ言いながら、食べているのは「阿宗麺線」です。台北の原宿とも渋谷とも言われる西門町にある老舗の麺です。麺の名前がお店の名前にもなっているこの阿宗麺線は、豚の大腸の煮込み入りのあんかけ麺です。やわからかく煮込んだ細めの麺線はとろみスープと一体化して、一碗ぐらいあっという間に食べられます。阿宗麺線のお店は、日本統治時代の演芸場だった紅楼のすぐそばにあり、台北に住んでいる人なら、知らない人はいないと言ってもいいほどの有名店です。

こってりしているわけではないが、とろみスープは、やはり肌寒い季節が似合う こってりしているわけではないが、とろみスープは、やはり肌寒い季節が似合う

麺線は、こんなお天気の日に食べたい!

沖縄より南にある台湾は、一番暑い時期は日本とずれていますが、もちろん暑いところです。台風の通り道に台湾島があるので、雨も多く、じっとり蒸し暑い日も多いです。麺線は、小麦粉で作った麺の一種には違いないのですが、後ろに線の字がつくと、必ずとろみスープと組み合わせます。あんかけ麺と言ったところです。 麺線は、カキやエビ、大腸入りなど種類も豊富で、夜市の人気料理のひとつになっています。個人的には、あんかけ麺って、蒸し暑い季節より、肌寒い季節に食べたい料理です。

台湾名物のとろみのスープ

台湾名物のとろみスープの食べものって、麺線だけじゃなくて、他にもあります。「羹(カン)」や「火へんに庚(カン)」と言うスープがあります。これもとろっと秋冬にあいそうな料理です。イカやエビ、カニなどのすりみで作った、つみれが入っており、安くて美味しいので、人気料理です。「羹」か「火へんに庚」を扱っている店には、米粉炒め(ビーフンの炒め物)や乾麺(汁なしの混ぜ麺)があり、とろみスープとセットで食べるのが定番です。

私が食べ物で感じた季節感

台湾にも、秋と冬があります。旧正月シーズンが台湾の真冬ですが、それでも平均気温は20度近くあります。日本の気候と比較すると、冬とは思えない気温です。台湾は、日本ほど春夏秋冬がはっきりしていません。台湾人にとって、麺線も羹も1年中食べる料理で、春夏秋冬がはっきりした日本のように、秋冬向きの料理という意識は少ないのかもしれません。麺線や羹を食べるとき、私が感じたような「とろみスープは冬にあう」、「あんかけは寒い季節に食べたい」といった季節感覚は、春夏秋冬がはっきりしている地域で、強く感じるのかもしれません。