MRT龍山寺駅そばの胡椒餅屋さん

「台北のおいしい朝ごはん」その2からの続きです。何気に通りがかった朝のこと。その店は、MRT龍山寺駅のすぐそばにありました。店の大きさは一坪ほどしかありません。釜を路上に出して、そこで胡椒餅(フーチャオビン)を焼き、商売しているのです。親父さんが釜に胡椒餅を貼りつけていました。下では炭がこうこうと燃えています。見るからにうまそう。胡椒餅とは、もともと大陸の福建省の料理で、葱と豚肉を醤油で煮込んだものを中に詰めたパンです。台北市内にはあちらこちらで「胡椒餅」の看板を見かけますが、まずハズレはありません。店の隣は三明治(サンドイッチ)屋さんです。若い女性の勤め人らしき人たちが、注文してはテイクアウトしていました。サンドイッチもうまそうですが、やはり胡椒餅がいいと思って注文すると、「あと20分かかるよ」と親父さんは日本語で言いました。台湾は、日本語を話せる年配の人が多く、また話したがる感じがとても面白いです。

わずか1坪の胡椒餅屋さん わずか1坪の胡椒餅屋さん

時間つぶしに龍山寺へ

しょうがないので、近くに龍山寺でお参りすることにしました。台湾きっての名刹です。朝から近所の人たちでにぎわっています。観音様を中心に、海の守り神である媽祖様や、学問の神様の文昌帝様、恋愛の神様の月老神君など多くの神様が祀られています。まずは入口で線香セットを購入、本殿に入ったら火をつけて、名前、生年月日、住所を告げて願い事をします。これが「拝拝(ばいばい)」です。日本語を話せるボランティアガイドの方が、丁寧に説明してくれます。さらに奥に入ると、おみくじがあります。まずは赤い木片を二つ手の中に入れて、名前、生年月日、住所を告げます。そして木片を床に落とします。二つの木片が表と裏になるまで何度も落とします。そうしてようやく竹の籤(くじ)を引くのです。引いたら次に、この籤でいいのか、さらに木片を落とします。ガイドさんが案内してくれるので、心強いです。

そろそろ胡椒餅が焼き上がるかな? そろそろ胡椒餅が焼き上がるかな?

ふたたび胡椒餅

おみくじは、籤の番号のある引き出しを開けて取り出すと、解説してくれるブースに向かいます。そして具体的な、たとえば「何月何日にアメリカに行くが、行ってもいいか」とか聞くのだそうです。何にも考えていなかったので、聞くこともなく、おわってしまいました。若い女性は、月下神君でお参りし、赤い糸をもらって、財布などに入れておくのが人気だそうです。さすがに20分は経ったでしょう。胡椒餅屋さんに戻ります。親父さんが開口一番「焼けてるよ」と日本語で言って1個釜から取り出してくれました。歩道の上にあるテーブル席に座っていただきます。そりゃもう、熱いの何のって。フハフハ言いながら、端のほうから食べて行きます。小麦の香ばしいにおいが口から鼻に抜けて行きます。やがて肉と葱の餡に到達。絶妙のうまさです。親父さんは、僕が食べる姿をニコニコしながら見ていました。(その4へ続く)

焼き上がった胡椒餅 焼き上がった胡椒餅