絵本ブームを巻き起こした作家

台湾を代表する絵本作家、幾米(ジミー)。絵本作家というと、子ども向け?と思われる方も多いかもしれません。しかし幾米の場合、そのカラフルで温かみのあるイラストとファンタジーの世界に魅了されるのは、子どもたちよりも、大人のファンが多いのが特徴といえます。

大人の心にやさしく響く 台湾発の絵本 大人の心にやさしく響く 台湾発の絵本

チャイナエアラインの機体にも

幾米は、台湾東北部の宜蘭県出身。台北から宜蘭までは車で約30分。雪山トンネル(全長12.9km)という、高速道路用トンネルで世界第5位の長さを誇るトンネルを通って行きます。1998年にデビュー後、台湾に大人の絵本の一大ブームを巻き起こし、作品はアジア圏だけでなく、欧米でも翻訳され、日本でも数多くの翻訳版が出版されています。また最近では、台湾の航空会社、チャイナエアラインの機体に幾米のイラストが描かれるなど、台湾では知らない人がいないほど有名な作家なのです。

ホッとする温かな世界観が魅力

忙しい毎日の中で、ふと疲れた時に読むと、じんわり心にしみてくるのが幾米のファンタジーの世界。初期の絵本作品『ほほえむ魚』(原題:微笑的魚)には、こんなストーリーが描かれています。ある日、ひとりぼっちの“ぼく”が、彼に微笑みかける魚に出会い、小さな水槽で魚を飼い始めます。“ぼく”のさみしい毎日に寄り添い、いつも微笑みかけてくれるその魚。しかし、ある夜“ぼく”は夢を見ました。魚と大海原を泳ぐ夢です。その時“ぼく”は、ある事に気づきます。そして魚を本来の家である海に返そうと心に決めるのです。果たして、“ぼく”が気づいたこととは……。

台湾土産にもぴったり

このほか、日々の生活の中ですれ違う、彼と彼女のラブストーリーを描いた大人の絵本、『君のいる場所』は、金城武主演で映画化(邦画名:ターンレフト・ターンライト)され、また盲目の少女が閉じこもるだけの生活から未だ見ぬ未来へ踏み出す物語、『地下鉄』はミュージカル化もされています。このように絵本を原作にした作品が次々と生み出される中、幾米のイラストが配されたジグソーパズルやマグカップ、ステーショナリーグッズも多く登場しています。台湾の書店などで手軽な価格で購入できるので、台湾ならではのお土産として購入してみるのもよいでしょう。