台北松山空港に降り立つとすぐ気づくこととは?

「お母さん、“胡蝶の夢”って知ってる?」当時中学生だった娘と、初めて台湾を旅行したときのことです。飛行機が台北松山空港に到着し、入国して空港を出たあたりで、いきなり娘にそう聞かれました。道教の始祖の一人とされる、荘子の説話です。荘子が夢を見て、その中で蝶になってひらひら飛んでいたけれど、目が覚めた自分は本当に蝶の夢を見ていたのか、今いる自分の方が、実は蝶が見ている夢なのか、どちらだろうか? という説話のことです。「この空港にはいろんなところに蝶(のモチーフ)があるから、きっと“胡蝶の夢”にちなんでいるのかなと思ったの。」

乙女心も蝶愛好家の心もくすぐられるデザイン 乙女心も蝶愛好家の心もくすぐられるデザイン

女の子が目を見張る、蝶のかわいいモチーフがいっぱい

言われてみればたしかに、第1ターミナルビルの国際線到着通路から屋外に至るまで、あらゆるところに蝶がいっぱい! 天井から吊るされた蝶、壁や柱に描かれた蝶、入国する歩行者の進行方向を指し示すように一方の方向へ流れるように配置された蝶、ビルを出たロータリー内の建物にも、飛行機と蝶のモチーフがあしらわれているのです。娘に言われるまでほとんど気にしていませんでしたが、娘の目にはとてもかわいらしい空港に映ったようでした。

台湾は蝶の楽園です

初めての中華圏への旅で張り切っている娘は“胡蝶の夢”を連想していましたが、残念、この空港を埋める蝶のモチーフには荘子の説話とは別の理由があるんですよ。実は、台湾は世界一、「蝶の生息密度が高い国」なのです。生息密度とは、同一面積あたりの種類と個体数のこと。台湾は日本の九州とほぼ同面積です。この島に約380種の蝶がいるといわれています。日本全体の蝶が約230種ということと比べると、いかに台湾の蝶が種類豊富がわかりますね。つまり、台湾は昆虫や蝶の愛好家、そして自然保護活動に熱心な人からすると、夢の島なのです。台湾国内での保護活動も盛んなんですよ。

蝶のデザインは台湾のプライド!

一般の台湾旅行者にとって、このことはあまり大きなトピックにはなりません。グルメと足つぼマッサージが好きな短期旅行者には、台湾で蝶を見かける機会は、ひょっとすると一度もないのかもしれません。けれども、もしも日本を出発して松山空港に到着するなら、ぜひこれらのモチーフで台湾の蝶のことを思い出してください。台北中心部は排気ガスのため空気がきれいとは言いがたいですが、少し郊外に出れば、きっと日本では見られない種類の蝶を見ることができますよ!