レモングラス (タイ語では「タクライ」)

タイ・ハーブの続きです。代表的なタイ料理のひとつ「トムヤムクン」は、スパイシーで酸味のきいた、えびのスープです。そのトムヤンクンに入っている、レモンに似たさわやかな香りのハーブがレモングラスです。前出の『東南アジア市場図鑑 植物篇』(吉田よし子・菊池裕子著 弘文堂 2001年)では、「見たところはカヤとそっくりだが、葉を揉むとレモンの香りが立つのでレモングラスと呼ぶ」という名前の由来とともに、「東南アジアでは料理に欠かせない大切な香辛料である」と紹介されています。レモングラスには乾燥させたものもありますが、生のものは格段によい香りがします。ゆっくり煮出すと柑橘系の香りが広がるので、煮汁に砂糖を加えて寒天で固めると、おいしいおやつになります。また、煮出した後の葉にも消臭効果があるので、台所や水まわりのそうじに役立ちます。日本のスーパーマーケットでは、スパイスの売り場になければ、もしかしたらハーブティーのコーナーで見つかるかもしれません。

タイ料理のレシピに登場するハーブいろいろ その3 レモングラスなどの柑橘系の香り タイ料理のレシピに登場するハーブいろいろ その3 レモングラスなどの柑橘系の香り

こぶみかんの葉(タイ語では「バイ・マックルート」)

レモングラスと同様、柑橘系の香りですが、少しスパイシーなハーブが「こぶみかんの葉」です。「こぶみかん」とはその名の通り、ごつごつとした皮の柑橘類です。『東南アジア市場図鑑 植物篇』では、「東南アジア原産のコブミカンは、名前の由来になっているこぶだらけの果実よりも、葉の方が大切なハーブ」と説明されています。表面がつやつやした肉厚の葉っぱは、タイ料理でもよく使います。トムヤムクンにも入っていますし、ビールのおつまみに最高の「トート・マン・プラー」というタイ風さつま揚げ(辛味のきいた魚のすり身の揚げ物)にも顔を出します。また、なすやヤングコーンの辛子みそ炒めの「パッ・プリック・ゲーン」にも入っています。

こぶみかんの葉 応用編

日本の輸入食品店などのスパイス・コーナーでは、乾燥させたものが「Kaffir Lime(カファー・ライム)」という名前で売っているかもしれません。タイ料理研究家の酒井美代子さんによると、冷凍のものもあるそうで、こちらは「乾燥のものよりも香りが強い」そうです。こぶみかんは、皮もカレー・ペーストに入れて使いますし、果汁は洗髪後のリンスとして使われることもあるそうです。タイの人の生活に密着したハーブだということがよくわかります。(その4に続く)