タイ料理に必須のトウガラシ(タイ語で「プリック」)

タイ・スパイスその3からの続きです。タイ料理に欠かせないスパイスといえば、トウガラシです。南アメリカの原産ですが、世界中に広まっているので、おそらくもっとも生産されている香辛料といわれています。赤や緑、オレンジ、黄色など、さまざまな色のものがあり、形や大きさもいろいろです。形状だけではなく辛さの度合いも違うようで、タイでは料理によって使い分けたり、複数の種類のトウガラシを合わせて使ったりします。料理の彩りに使うものもありますから、パプリカで置き換えることもできそうですね。

タイ料理の香り・味わいを豊かにするスパイス その4 必須スパイスのトウガラシ タイ料理の香り・味わいを豊かにするスパイス その4 必須スパイスのトウガラシ

激辛の「ねずみのふん」に注意!

タイの市場に行くと、いろいろなトウガラシを見かけます。特にタイらしいのは「プリッキーヌー」とよばれる小型のトウガラシです。タイ語で「ヌー」はねずみですから、「ねずみのふん」という変わった名前のトウガラシです。ところが小さいと思って食べると、これが本当に辛いのです。タイの食堂で食べて、あまりの辛さに涙を流していたら、食堂のおばさんが気をきかせて調理場から小皿にのせた砂糖をもってきてくれたことがあります。トウガラシの辛さを消すには、水を飲むよりも砂糖をなめたり、生野菜を食べる方がきくそうです。もっと大ぶりで赤、黄色、緑などの色がある「プリッキーファー」もありますが、こちらはそれほど辛くはありません。

意外にも、タイに伝えられたのは16世紀のトウガラシ

ところでタイ料理と切っても切れない関係にあるトウガラシは、実はそれほど古い時代にタイに伝わったのではないようです。トウガラシの原産地は中南米ですから、ほかの地域への伝播は、ヨーロッパがアメリカ大陸に到達した15世紀以降の大航海時代まで待たなければなりません。同じようにトウガラシなしでは語れない韓国料理も事情は同じですが、トウガラシがやってくるまでは、どんな味つけで食べていたのでしょうか。(その5に続く)