麺の種類はいろいろ。迷いつつ……

タイでラーメン屋さんに入って、まず驚かされるのは、麺の種類の多さです。「ウンセン」は春雨、ウンセンより白っぽいのが「センミー」。やや太い「センレック」(クウェティオとも呼ぶ)、きしめんくらいになると「センヤイ」、茹でると丸まってしまうのが「センクウェイチャッブ」。これらは米粉麺です。そして日本のラーメンと同じ黄色い麺が「バーミー」。スープの味は、たいてい一種類。具材は黙っていても、その店で定番の、魚のすり身やチャーシュー、ゆでた挽肉、ワンタンなどを載せてくれます。そしてスープのある、なしが問われます。タイのラーメン屋さんは量が少ないので、男性など、「スープあり」と「スープなし」の2種類を注文したりしています。スープありは「〜ナム」、なしは「〜ヘン」と麺のあとに続けて言います。たとえば「バーミー・ヘン」と言うように。

チャイナタウンの名物店『バーミー・ジャップガン』 チャイナタウンの名物店『バーミー・ジャップガン』

スープなしのラーメンに味はあるのか?

スープなしのラーメンでも、僕が圧倒的に食べるのが「バーミー・ヘン」。ゆで上がったラーメンを丼の中で油でからめてくれます。運ばれてきたら、ここに自分で、酢、唐辛子、生唐辛子の酢漬け、ピーナッツを粉砕したもの(もしあれば。砂糖しか置いてない店も多いです)を加えて、混ぜて、食します。日本で言う「油めん(そば)」になるのですが、日本のものほどこってりしてません。タイのバーミーが、普通は細縮れ麺であるからか、加える油の分量が少ないからか、理由は不明ですが。いずれにしても、量も少ないので、男性だったら物足りないでしょう。スープを飲まないだけに余計にそう感じます。ですから思わず、「バーミー・ナム」も注文してしまうのです。

中華街名物「バーミー・ジャップガン」

しかし、タイのバンコクには、腹ペコの人でも、一杯で満足させるラーメン屋さんがありました。それがチャイナタウンにある「バーミー・ジャップガン」です。裏路地にある店で、次々とバーミー・ヘンが作られていきます。大量の麺を一度に茹でて、大きなざるに取出し、水気を切ってボールに移し、麺に油をからめます。やや冷めたところで手づかみで、サラダ菜の敷かれた丼の中に取り分けられ、その上から分厚いチャーシューを載せれば出来上がり。店の汚さゆえか、地元の人は持ち帰る人も多いです。また、ごくまれに「バーミー・ナム」を注文するお客もいます。僕が通い出してからすでに30年。最近は若干量が少なくなったとはいえ、まだまだ大盛り健在で、しかも35バーツ(約108円)と値段は据え置いたまま。ぜひ一度、足を運んでみてください。