- 神谷
- 東京都在住。漫然とさすらっていた学生時代の旅から、テーマのある旅へとスタイルが移りました。現在は「その国と日本とのつながり」を頭に置いて旅をしています。地を這う旅からリゾート、自然観察、文学、アート、建築を追う旅までなんでもテーマにして書きます。旅と同じくらい文章を書くのが大好き。お楽しみに!
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成田の「ワット・パクナム日本別院」は、まるで“パスポートのいらないバンコク”!
タイのバンコクへ遊びに行きたいけれど、いろいろな事情で無理。でも行きたい! そんな、バンコクを愛してやまないあなた。千葉県成田市でプチ・バンコク旅行はいかがでしょうか。ここには、バンコクの有名なお寺「ワット・パクナム」の日本別院があるのです。日本各地には、いくつかタイ仏教のワット(「寺院」の意味)がありますが、ここ成田の「ワット・パクナム日本別院」は、日本のどこよりもタイらしさを感じさせてくれますよ。
芋畑の広がるのどかな風景の中に、竹林に守られるようにしながらも忽然と現れるワットの姿。ブルーの屋根、白大理石の壁、真紅の庇、そして空に向かって燃え立つような、破風を縁取る黄金の装飾。めまいがするようでした。周囲は典型的な成田の郊外の風景なのに、この寺院が建つ2000坪の敷地だけは、100%バンコクなのです。とても不思議な光景です。日本国内にあるさまざまな宗教施設へ行っている私ですが、このワットは中でも最も本場の雰囲気を持っていると思いました。
ワット・パクナム日本別院は、日本に暮らすタイ人のために建立されました。寺院の建築のみならず、南国ムードあふれる庭の植物を手入れしている人々、お参りしに来ている人々、事務所にいる職員も全員タイ人。オレンジ色の袈裟をまとったハンサムなお坊さんは、当然タイ人です。東京や神戸にあるいろいろな宗教施設は、狭い土地でふつうの民家と軒を連ねるようにして建っている点がおもしろいのですが、ここは逆に、広々とした敷地に、庭園や僧坊も備えた完全な別世界が現れているところが、なんともおもしろいのです。
交通の便が悪いところが難点ですが、便利だったらもっと日本人が押し寄せてしまうでしょう。なぜなら、ワット・パクナムではたくさんのお祭りや儀式が行われ、そのときに山のような食事がふるまわれるのです。日本在住のタイ人のための行事なのに、タダの食事目当てで日本人があまりいっぱい来てしまっては……と私は思いますが、心の広いタイ人の皆さんは、どんどん食べ物をふるまってくださるそうですよ。興味のある人は年間のスケジュールを問い合わせてみてください。パスポートなしでバンコクへ行った気持ちになれることは保証付き。ただしあくまでも宗教施設なので、マナーを守って訪れましょう。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2015/07/25)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
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