トラブルの多くは未然に防げる

今では「旅行しやすい国」というイメージのあるタイ。かつての怪しげなイメージはほとんどなく、バックパッカー初心者でも、ほぼ問題なく旅行ができるでしょう。しかし、それでも旅行者を狙うトラブルは、まだまだ起きています。筆者も実際にそうした被害に遭っている人に、今でもときどき会います。しかし、そうした被害の多くは、気をつけていれば防げる類いのものです。これからいくつか例を挙げて、その対処法を考えてみましょう。

なくならない宝石のキャッチセールス

これは私が初めてバンコクに行った20年前からある手口です。今でも毎日、この詐欺が行われていると思うと、もう詐欺師も二代目、三代目になっているのでしょう。手口はこうです。観光客が繁華街や王宮などの観光エリアを歩いているとタイ人が近づき、「政府主催の宝石フェアがある」「今日が宝石のディスカウントセールの最終日だ」などと言葉巧みに誘い、宝石店へ連れて行きます。そして「この宝石を日本の宝石店で売れば、数倍の値段になる」と、誰でも知っている有名宝石店の名をいくつか紹介します。欲に目がくらんだ旅行者は、クレジットカードで人によっては数十万円分の宝石を買ってしまいます。

“儲け”を期待して帰国したが

しかし帰国後、持ち込んだ日本の宝石店でそれが「クズ同然の安宝石」であることを知るのです。この場合、強制的に買わされた訳ではなく、宝石も安物とはいえ本物なので、犯罪として立件しにくいのだそうです。同じような手口で、「粗悪なカシミアを買ってしまった」という別パターンもあります。自分で価値がわからないものには、手を出さないほうがいいでしょう。

これも定番。トランプ詐欺

これも人の欲につけ込んだ詐欺です。やはり言葉巧みに旅行者に近づき、「私の兄弟姉妹が日本に行くから、日本のことを教えて下さい」などと家に誘い込みます。やがてそこに仲間たちが集まり、トランプ賭博が始まります。最初は面白半分にイカサマで勝つ方法を教えられるのですが、練習もさせられ、それを覚えた頃に、ちょうど“カモ”と教えられた金持ちが登場。その相手にその手口を使うと、面白いように勝ちまくるのです。しかし世の中、そんな奇跡のようなことはありません。最後にお約束の“逆転負け”をして、つきそわれてATMの窓口へ行くハメになるのです。旅行者はそこで自分こそが“カモ”だったことを知る訳です。自分が違法な賭け事をしていて、しかも最初は自分が騙していたので、警察にも行きにくいですよね。まるで映画のようですが、これもバンコクでの定番詐欺です。バンコクに限らないですが「おいしい話には裏がある」と思ってください。