観光地に現れる美女

バンコクの安宿で知り合ったある旅行者(男性)が「以前、パスポートとお金を盗られて…」と言うので、理由を聞いたらなかなか言わないんですよね。あとで判明したのは、聞き覚えのある以下のような手口でした。この手口に遭った人(男性のみ)によると、たいていこんな感じで始まります。バンコクを訪れた観光客が、最初に必ず行く定番の観光地の「王宮ワット・ブラケオ」。次に行くのは、たいてい歩いて行けるワット・ポーか、川の向こうのワット・アルンです。その途中(あるいは王宮内)で、彼は若い外国人女性に英語で声をかけられます。(女性)「すみません、ワット・ポーはどの方向でしょうか?」。(男性)「私も、そこへ行こうと思っています」。フィリピン(シンガポール、マレーシアもあり)から来たという若い女性旅行者と意気投合したその男性旅行者は、しばらく一緒に観光を楽しみます。

男性の下心を利用した手口

仲良くなったころに、女性は「あなたの泊まっているホテルはどんなところですか?」と聞き、「それはいいですね。私もそこに泊まりたいです。一度、私のホテルに戻って荷物を取ってくるので案内してください」となります。男性はもうこの頃は、下心でいっぱいです。さて、タクシーでその女性が泊まっているホテル(あるいは友人宅)へ行き、男性が部屋で待っていると、「1.女性がするすると服を脱ぎ出す」「2.女性がシャワーを浴びに行く」などと次の展開へと進み、男性も服を脱ぎ始めます。ところが、そこからはお約束の展開で「1.部屋のどこかから突然男が現れる」「2.ドアを激しく男がノックする」と続きます。あわてて脱いだ服を着て、そこから逃げ出す男性ですが、気がつくと貴重品が抜き取られているのです。男が登場しないパターンもありますが、これも被害者は、警察に言いにくい話ですよね。

川の真ん中でお金を脅し取られる

もうひとつ、これもやはり王宮付近で多い手口ですが。私が直接聞いた話をここで紹介しましょう。彼らは大学生の2人組で、ワット・ポーの観光中に東南アジアのどこかの国からか来たおばさん2人組と知り合いました。お茶をごちそうしてもらい、仲良くなり、一緒にチャオプラヤー川対岸のワット・アルンへ行こうという話になったそうです。川を渡る公共の乗合ボートがありますが、彼らは巧みにプライベートボートに誘導されていることに気がつきませんでした。そのボートは川の真ん中で止まり、「あといくら出さないと放り出す」と船頭が脅します。おばさんたちは「仕方ないから」とお金を払い、彼らも日本円にして5000円ほどお金を払いました。その後、彼らは警察に行きますが、そこで警察に手配中のおばさんたちの顔写真を見せられ、最初からグルだったことを知ったそうです。とにかく向こうから話しかけてくる人には、用心するにこしたことはありません。