日本軍が作らせた「死の鉄道」

みなさんは「泰緬(たいめん)鉄道」をご存知ですか? 第二次世界大戦中、日本軍がビルマへ軍需物資を運ぶため、タイとビルマ(ミャンマー)を結んでいた鉄道です。建設は困難を極め、工事に駆り出された多くの人々が死んだために、英語圏では「デス・レイルウェイ(死の鉄道)」の名で知られているそうです。その鉄道の一部が、今もタイ西部やミャンマー東部に残っています。年配の方には、イギリス映画『戦場にかける橋』の背景といったほうがピンとくるでしょうか。

名作『戦場にかける橋』の舞台になったタイの鉄道橋 名作『戦場にかける橋』の舞台になったタイの鉄道橋

名作映画の舞台となったクウェー川にかかる橋

タイの首都バンコクから西へバスで2時間。クウェー川に沿って延びる町、カンチャナブリの町外れに、その映画『戦場にかける橋』の舞台になったクウェー川(英語では「クワイ」ですが、現地発音では「クウェー」)に架かる鉄橋があります。映画のストーリーはこんな感じです。連合軍捕虜を使って泰緬鉄道建設を急ぐ日本軍ですが、捕虜たちは手抜きをして工事はなかなかはかどりません。しかし、主人公の英軍将校は士気を高めるためにも、立派な鉄道橋を作ることを部下に命じます。橋は捕虜たちの力で完成し、日本軍司令官も彼らの能力を認めざるを得ません。しかし鉄道の開通日に、連合軍により橋は列車もろとも爆破され、敵も味方もほぼ全員死んでしまいます。戦争のむなしさを描いた名作として有名な作品です。

今ではカンチャナブリ随一の観光地

さて、映画の中では「人里離れた密林の中」として描かれていた鉄橋ですが(映画の橋はスリランカで撮影された)、実際のクウェー川鉄橋はカンチャナブリの町のすぐ外側。見晴らしのいい平地を流れる川に架かっており、映画のイメージとは大違いでした。今ではカンチャナブリ随一の観光地であり、歩いて渡る人もいるほどです。列車が通る時刻になると、カメラを抱えた観光客がたくさんやってきます。橋のたもとには観光客向けの水上レストランがあり、川や鉄道の風景を楽しみながら食事もできます。ということで映画のイメージでいくと、その違いに驚かれると思いますよ。