ゾウが支える仏塔、ワット・チャーン・ローム

「シー・サッチャナーライ遺跡 その1」からの続きです。城壁に囲まれた遺跡公園は2km四方ほどの広さです。まずはその一番の目玉となる、「ワット・チャーン・ローム」へ行ってみましょう。場所は公園の中央にあり、入り口からは1kmほどです。これは、13世紀にスコータイ朝のラームカーヘン大王によって建てられた寺院で、「チャーン」は「ゾウ」の意味。ゾウの像が支える台座の上に、スリランカ式の仏塔(釣鐘を伏せた形)が建つ、印象的な外観をしています。ゾウたちは鼻などのパーツのあちこちが取れ、かなり朽ちた感じなのが時の流れを感じさせます。

鼻が落ちてしまってわかりにくいが、ゾウの像が台座を支えるデザインのワット・チャーン・ローム 鼻が落ちてしまってわかりにくいが、ゾウの像が台座を支えるデザインのワット・チャーン・ローム

ワット・チェディ・チェット・テーオとワット・ナーン・パヤー

その向かいに建つのが、「ワット・チェディ・チェット・テーオ」です。「チェディ」は仏塔の意味で、その名のように、この寺院には多くの仏塔が建っています。面白いのは、その仏塔の建築様式がバラバラなこと。目立つのは蓮の花をモチーフにしたスコータイ様式のものですが、そのほかにも釣鐘状のスリランカ様式、北方のランナー・タイ様式のものなどがあります。大きな本堂は消失しているので、ここでは仏塔の間を見て歩く、という感じでしょうか。その並び、城壁の南壁近くにある「ワット・ナーン・パヤー」には仏塔もありますが、見ものは漆喰細工で飾られている礼拝堂です。ほとんど壁だけですが、当時の漆喰装飾が見られるのは貴重ですね。

丘上にある、小さなふたつの寺院

遺跡公園内には他にも小さな寺院跡がいくつもありますが、次は北側の小高い丘の上にある2つの寺院に行ってみましょう。ワット・ナーン・パヤーからだと、一度、ワット・チャーン・ロームのほうへ戻り、そこを通り越した突き当たりに丘があります。階段があるので、自転車ならそこに停めて登ることになります。階段を上って最初にあるのが「ワット・カオ・パノム・プレーン」。うっそうと茂った森の中に、朽ちかけた仏塔と仏像があります。そこから尾根沿いの道を一度下がってまた上がると、次の丘の上に釣鐘型の仏塔がある「ワット・スワン・キリ」に出ます。このあたりは人気がないので、女性の方はひとりにならないように気をつけて下さい。(その3に続く)