かつて王宮があった城壁内にあるワット・プラ・タート

「カンペーン・ペッ遺跡 その1」からの続きです。さて、まずは町に近い、城壁内の遺跡エリアから見ていきましょう。このエリアは細長くなっており、チケット売り場はその北端と南端にあるので、見学はどちらかから入って逆側から出るという形になります。町から歩いてくると南端側からの入場ですね。ここは城壁に囲まれていたように、かつては中心に王宮がありました。しかし今では、王宮は土台程度しか残っていません。このエリアで見るべきは2つの寺院跡です。木材が使われた部分は焼失して残っていないので、残っているのはおもに建築資材として使われたラテライト(赤土)のレンガ部分。「ワット・プラ・タート」には、積み上げられた2基のスコータイ様式の仏塔と、基壇だけ残っている本堂の跡があります。雨風の侵食によってか、それとも破壊によるものなのか、表情がもはや読み取れなくなった仏の坐像が印象的です。

ワット・プラケオに残る仏像。奥の涅槃仏はまだ表面の漆喰が残っているが、手前の坐像はラテライトがむき出しになって痛々しい ワット・プラケオに残る仏像。奥の涅槃仏はまだ表面の漆喰が残っているが、手前の坐像はラテライトがむき出しになって痛々しい

土台と仏像のみが残るかつての王室寺院、ワット・プラケオ

北側には、当時の王室寺院だった「ワット・プラケオ」があります。“ある”といっても柱や屋根、壁などはなくなっており、残っているのは基壇部分や柱の根元、そしていくつかの仏像です。かつてここは長い本堂を持つ大きな寺院でした。しかし柱から上の部分は木製だったので焼失してしまい、かつての壮麗さは想像をめぐらすしかありません。現在、バンコクのワット・プラケオにある本尊のエメラルド仏は、このワット・プラケオにあったという伝承もあります。ここに残るレンガと漆喰で作られた涅槃仏は、後のアユタヤー王朝時代に造られたもので、つながった眉による表現はその時代のウートーン様式のものだとか。

仏像ではないが、いまも信仰を集めているヒンドゥーの神像

このエリアを出て、北にある「アランイック」というエリアに行く前に、時間があれば先に城壁内にある2つの見どころにも寄ってみましょう。ひとつは「サーン・プラ・イスワン」と呼ばれる、ヒンドゥーの神シヴァの像です。この像は昔から地元では信仰を集めているようで、お参りする参拝者は今も多いです。しかし実はここにある像はレプリカで、お隣のカンペーン・ペッ博物館に展示されています。というのも、本物は一度西欧人によって盗まれたことがあるとか。それが何とか戻り、現在、本物はここにあるカンペーン・ペッ博物館に収蔵されているのだとか。博物館にはカンペーン・ペッからの出土品のほか、スワンカローク焼きなど、地元で造られた陶器なども展示されているので、寄ってみてはいかがでしょうか。(その3に続く)