中央アジアはどんなところか?

中央アジアをご存知でしょうか? 「アジア」と付いていても、中南米やアフリカよりも遠い存在の地域かもしれません。中国を西に進んでいくと天山山脈が東西に伸びています。その天山山脈の西側に位置するのが中央アジアです。かつてシルクロードの拠点の町として発展したのが、ウズベキスタンのサマルカンドやブハラの町です。青い目をしたアーリア系人種のような人たちや、アラブ人のような顔立ちの人たちが混然一体となって暮らしています。アジアもここまで西に来ると、なるほどヨーロッパやアラブが近くなっているのだなあと、人々の顔を見て実感できます。夏は45度にもなる酷暑で、冬は零下にもなる寒さです。主食は小麦を材料にした丸くて大きなナンを食べます。そしてもう一品、この地に欠かせない小麦料理があるのでした。

中央アジアでは、ラーメンはこんなところで食べる(チャイハネ) 中央アジアでは、ラーメンはこんなところで食べる(チャイハネ)

麺料理の西の果ては?

それが麺料理です。小麦はもともとシルクロードを伝わってイランから中国に持ち込まれたとされています。紀元前5世紀ころです。これが麺になったのが紀元前1世紀ころ。それから中国各地で様々な麺料理が開発され、ずーっと下って日本では、そばやうどん、そして明治以降、中国からやってきた中国人や第二次大戦後、中国帰りの日本人たちによって広がったのがラーメンです。ラーメンの東の果てが日本だとして、西ではどこまで食べられているのか、ずっと疑問でした。それがウズベキスタンのタシケントに来て氷解したのです。中国で発達した麺料理がUターンするかたちで中央アジアで根付いていたのです。パキスタンでも、イランでも、カスピ海の向こうのコーカサス地方でも、ロシアでも麺料理はありません。これらの国にあるのは、スパゲティになってしまうのです。中央アジアが、どうも麺料理の西の果てだったようです。

ラグメンには、ナンとサラダが付いてくる ラグメンには、ナンとサラダが付いてくる

東西の果て同士のラーメンの味の違いを検証してみては?

その麺料理の名前が「ラグメン」。太い麺に羊肉のトマトソース煮をぶっかけて食べます。日本では「中華そば」に代表されるようにスープ麺が多いですが、中国本土では、意外に具材と絡めて食べるだけの麺料理が多くあります。麺にかん水を加えないのが特徴で、日本と違って白い麺です。暑い夏、唐辛子のたっぷり利いたラグメンを頬張ると、汗がしたたってきます。それがまた気持ちよくて、病みつきになります。中央アジアだけでなく、中国の西域やイスラム教徒が暮らす北京や上海の大都会でも、最近は食べられるようになりました。このラグメンを、是非一度ご賞味あれ! 麺料理を通した東西の味の感性の違いがよくわかります。ラグメンは、アラブ・イスラム料理に近いし、日本のラーメンは、出汁の利き方が日本料理に近いです。