国を守った最悪の閉所 ベトナムのクチトンネル

昔は平気でしたが、最近ちょっと閉所恐怖症気味なんです。狭い洞窟や地下都市を見学していると、息苦しくなってくる気がします。でも、地下で暮らさねばならなかった人たちがいるんですよね。私が今までで一番きつかったのは、ベトナムの『クチトンネル』です。ベトナム戦争中に作られた全長200kmのトンネルで、今ではツアーで訪れて中を歩くことができます。体の大きな白人のツーリストがやっと通れるくらいの広さですが、これでも観光用に広げたのだとか。夏の雨季の頃を想像し、こんな劣悪なところに身を潜めて生死をかけて戦っていたのかと思うと、彼らの精神力に言葉も出ません。

閉所恐怖症の人には適応できないかも!? 地下で生きた人たちがいた場所 閉所恐怖症の人には適応できないかも!? 地下で生きた人たちがいた場所

未完成に終わったナチスの計画 ポーランドのオスフカ地下施設

ポーランドの南西、シレジア地方の都市ブロツワフの郊外に、第二次世界大戦中にナチス・ドイツ軍によって造られた6つの地下施設があります。その目的は隠蔽されてわからないままですが、計画では6つの施設を地下道でつなぎ、なんと鉄道を走らせる予定だったのだそうです。その中のひとつ『オスフカ地下施設』はガイドツアーで見学することができます。中は削りかけの岩肌がむき出しで、大人がかがまずに歩けるほど天井が高く、まっすぐな地下道は想像以上に長く伸びていました。もし完成していたらどれだけ巨大な施設になっていたのでしょう。つわものどもが夢のあと、ですね。

奇岩地帯の地下深くに広がる地下都市 トルコ・カッパドキアの地下都市

トルコの中央部、アナトリアの高原に「きのこ岩」の奇観で有名なカッパドキアがあります。大自然が造った地上の奇岩群の眺めもすごいですが、その岩を削って人間が作り上げた地下都市がまたとてつもない規模なのです。地下都市はなんと400ほどもあり、それらは横穴で繋がっているといいますが、いまだに発掘は進んでいません。私はその中の最も規模の大きな地下都市『カイマクル』を見学しましたが、蟻の巣のような部屋が地下8階まで続き、家畜とともに1万人以上の人がここで生活していたなんて信じられませんでした。私だったら1週間も持たない自信がありますね。

塩の教会まである、ポーランドの世界遺産ヴィエリチカ岩塩採掘場

地下で暮らすのも嫌ですが、働くのはもっと嫌かもしれません。ポーランドのクラクフ郊外にある『ヴィエリチカ岩塩坑』は、地下327mの深さまで全長300km以上の坑道が掘られています。ガイドツアーで中に入ると、すべて塩で作られた彫刻や礼拝堂、運動場まであって驚きます。地下での生活にいかにして潤いを与えるか、ここで働く人たちが考えて作ったのでしょうか。地下135mに宿泊施設があって、私たちも泊まることができますが、寝心地はどうなんでしょう。自分が今、地下深くにいると思うと安心して眠れない気がします。