- 松野泰子
- ホーチミン市在住。東京での出版社勤務を経て、「食べ物が美味しいから何とかなる」という根拠のない自信を頼りに2005年ベトナムへ移住。知らず知らずベトナムの虜になりつつ、食・健康・人をテーマに、ベトナムの情報を発信。現地発行の日本語情報誌『ベトナムスケッチ』を始め、日本の雑誌・webにも寄稿する。
出発エリアをに変更しました。
クチトンネルは全長250kmという広さ。これを人の手で掘ったというのも驚きだ
メコンクルーズに続き、ホーチミン市に初めて訪れた観光客のほとんどが訪れるのがクチトンネルツアーです。クチトンネルとは、ホーチミン市中心地から北西へ約60kmにあるクチ県に掘られた全長250km地下網のこと。ベトナム戦争時、ベトコンと呼ばれるゲリラがこのトンネルを使って身を隠し、アメリカ軍相手に戦ったのですが、狭いトンネルの中には、食料庫や会議室、寝室、病院まであったというから驚き。現在は観光地として公開されていて、決められた敷地内を歩いて見学することができます。
まずは歴史の勉強から。戦争当時のビデオや地図、トンネルの断面図を見ながら全体図を把握しよう
ツアーに参加するには現地旅行会社に申し込むだけ。大型バスに乗り込みいざ出発です。40人ほどのグループにつき1人英語を話すガイドが付くのですが、じつはこのツアーのガイドはほとんどがかつての軍人。中には戦争時の体験を臨場感たっぷりに語ってくれる人もいて、バスで移動中も次々と質問がとびかうこともよくあります。時にはせつせつと、時には笑いをいれて語ってくれる過去に、ベトナムの厳しい歴史を感じずにはいられません。
ベトコンが隠れていたという穴。人がやっと入れるくらいの大きさ
さて現地につくとまずはビデオで戦争の歴史を学んでから、林になっている敷地内へ移動、ここからは今も残っている米軍の爆撃跡や、ベトコンが作った落とし穴、基地用の小屋、さらにはトンネル内を解説付きで見て回ります。実際にトンネル内に入ってみると、いかに窮屈かがわかります。暗闇の中かがんで歩くと心なしか空気も薄い気さえ……。大柄な白人観光客の中にはプチパニックになる人まででいますから、体の小ささを活かしたベトナム側の戦略は大成功というわけですね。みんなで落とし穴にはまってみたり意外と楽しんで体験できるツアーです。
女性兵士の人形。髪をといたり、傷の手当てをしたりしている。妙にリアル…
真面目に歴史を勉強できるクチトンネルですが、人形のリアルさや壁に書かれた絵のおかしさに吹き出してしまうこともしばしば。ガイドも人形に語りかけたり、冗談を入れたりしながら、深刻になりすぎないでツアーを先導してくれます。こういうふうに細部に笑いが入るところが、ベトナムらしい明るさと強さなのだなと、ツアーに参加するたびに毎回感じてしまいます。
2時間弱に渡って敷地内を見学した後は、なぜかライフルを使って射撃。希望者は1発1ドルから銃弾を買ってストレスを発散させましょう…って主旨がかなり異なりませんか?とつっこみたくもなりますが…。とにかく軍事マニアにはたまらない、お手軽一日ツアーなのでした。ホーチミン市に旅行に来た際はぜひ一日、このツアーに参加してみましょう。
的に向かってライフルを使ってみよう。銃弾は隣の売店で購入(1弾1ドル)
■Cu Chi Tunnel Tour(クチトンネルツアー)
旅行会社Sin Cafe(シンカフェ)から
住所:246-248 De Tham Dist.1 HCM
電話:(+84)8-8367338
営業時間:7:00〜21:00
定休日:無休
参加料金:US4ドル 入場料は別US5ドル。
参加するには:Sin Cafeを始めデタム通りにある各旅行会社に申し込む。
8:00 〜14:00の半日ツアー。英語ガイド付き。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/08/03)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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