- 松野泰子
- ホーチミン市在住。東京での出版社勤務を経て、「食べ物が美味しいから何とかなる」という根拠のない自信を頼りに2005年ベトナムへ移住。知らず知らずベトナムの虜になりつつ、食・健康・人をテーマに、ベトナムの情報を発信。現地発行の日本語情報誌『ベトナムスケッチ』を始め、日本の雑誌・webにも寄稿する。
出発エリアをに変更しました。
チャン・クォック・タオ(Tran Quoc Thao)通りから、細長い路地を100メートルほど進んだ突き当たりにあるお店「バー・ミエン」。伝統的なベトナム式建築で建てられた趣のある建物。
ベトナムは南北に細長い地形をしており、その土地毎の食の特徴も違います。大きく言えば、北部は塩ベースのさっぱりした味付け、中部はお米を使った料理が多く旨味のある唐辛子が売り、南部は砂糖をたっぷり入れたコクのある甘い味付けというふうにわけられます。最近では、日本からハノイ、ダナン、ホーチミンそれぞれの直行便も増えたので、インとアウトを別の都市にして、ベトナム国内を食べ歩いてみるのも楽しい旅行の仕方かもしれませんがさすがに、一度の旅行で、全地域を回るのは厳しい。そんなときに利用したいのがここ、「バー・ミエン(Ba Mien)」です。
メニューは、「南部」「中部」「北部」毎にわけられている。品数は100種以上。ベトナム語と英語で書かれてある。
Ba Mienとはベトナム語で三つの地方という意味。その名の通り、北部・中部・南部の特産品がたくさん食べられるレストランです。メニューも3地方毎にわけられているので、前菜は中部の蒸し春巻き、スープは北部のハマグリスープ、メインは南部の甘くてこってり塩辛い煮物……と自由に選ぶことができます。
大通りから細い路地に入り少し奥まったところにあるこのお店。3区という中心街からはタクシーで15分程度の所にあります。3区は美味しいものが集まった地域としてベトナムの人たちには有名な場所です。この日もお昼間からちょっとお金持ちのベトナム人ビジネスマンがパワーランチを繰り広げていました。夜はもちろんいつも家族連れや宴会で混み合っています。シックな店内や、サービスの良さも人気の秘密かもしれません。
左から時計回りで「豚肉のココナッツジュース煮」(4万9000ドン、約375円)、「蓮の実ご飯」(4万5000ドン、約340円)、「ニラと豆腐のスープ」(3万5000ドン、約270円)。二人前程度。
さて、この日注文したのは3品。まずは南部料理の代表格の「ティッヘオ・コー・ヌックユア(Thit Heo Kho Nuoc Dua)」豚肉のココナッツジュース煮を選択。中国の影響を大きく受けている南部料理ならではの中華風メニューですが、ココナッツジュースで蒸しているため豚肉が柔らかい!お箸を入れるとほろほろと崩れるようです。二番目は北部風のニラと豆腐のスープ「カィン・ダウフー・ヘー(Canh Dau Hu He)」。さっぱりとした塩味のさらさらとしたスープです。そして最後は宮廷料理でもあった中部フエの蓮の実入りご飯「コム・セン(Com Sen)」。ベトナム人の愛する蓮は、花が美しいのはもちろん、葉っぱでごはんを包めば香り豊かで、ほかほかの炊き込みご飯になるのです。蓮の実は熱を加えると栗のような食感。上品な気持ちで満足できる一品です。
こんなふうに全国各地の名産品を一度の食事で堪能できるのも、食にどん欲なベトナムの人たちのおかげかもしれませんね。ああ、ごちそうさまでした!
3 Mien(バー・ミエン)
住所:122 B Tran Quoc Thao, Dist.3
電話番号:(+84)8-9317096
URL:無し
営業時間:07:00〜22:00
定休日:無し
その他:約100席
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/06/19)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
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