夜の屋台街で出会ったベトナムの珍味。

ベトナムを旅行している時のこと、ホーチミンの安宿街でお酒を飲んでいると、半オープンエアのお店の前を色々な屋台が通って行きます。ベトナムではよく見かける風景で、お店のお客は気に入った屋台があれば、買ってつまみを持ち込むこともできるというのんびりとしたアジアらしいスタイル。その時一緒に飲んでいた現地の友人が「あれ食べた事ないだろう?」とある屋台を呼びとめて買ってくれたのが「ホ・ヴィ・ロン」でした。見かけはゆで卵で、小さなお皿にティースプーンと一緒にテーブルに運ばれてきました。実はこれ、「ホビロン」という孵化寸前のアヒルの卵をゆで卵にしたもので、ベトナムでも珍味として知られているものだったのです。

ベトナムの珍味、孵化寸前のゆで卵“ホビロン” ベトナムの珍味、孵化寸前のゆで卵“ホビロン”

ただのゆで卵ではありません。

何も知らない私は、ただのゆで卵と思い、殻の上部をスプーンで叩いて割ってみました。すると中から現れたのは、黄身と白身ではなく、ひな鳥になりかけの何かグチャッとしたもの…。体には羽毛が生えているし、くちばしらしきものまでしっかり見えています。唖然とする私に、ベトナム人の友達は「さぁ食べてみて!」と勧めます。見かけのグロテスクさに一瞬ひるんだものの、お酒の力も手伝ってスプーンで一口すすってみました。

気になるお味は…。

するとなんと予想外の美味しさ!上品な鶏ガラスープのような味わいは、お塩を少し振るとさらに味わいを増しました。まだ骨は硬く形成されていないので、スプーンで身を崩して食べるのが本場流だそう。なんでも栄養価も高く、美容食や精力増進の効果もあると言っていましたが、本当かどうかは謎のまま。私は屋台のものを食べましたが、お店で出される場合は、タデの葉(独特の風味のあるハーブ)が必ず添えられて、塩コショウの他にライムやトウガラシの粉などと一緒に食べさせるところが多いようです。

旅の記念に珍味にチャレンジ

調べてみると、この孵化寸前のアヒルのゆで卵はベトナムだけでなく、フィリピンでも「バロット」という名前で親しまれているようです。日本ではまず食べることが出来ない珍味、旅行の際には旅の記念として是非チャレンジしてみてはいかがですか?屋台や食堂など、店によって値段はまちまちですが、安いものだと1個50円程度から、珍味の味を是非実際に確かめてみてください。