ホイアンは、日本が残した遺産で世界中から観光客が押し寄せる

ベトナムのホイアンに行くと、その観光客の多さに、きっと驚かれることでしょう。ここは大都市ではなく田舎の町です。しかし旧市街に足を運ぶと、土日など、まるで縁日のように、地元ベトナム人観光客や外国人観光客が集まっているのです。とくにチャンフー通りとグエンタイホック通りは、夜ともなれば凄まじいばかりの人だかりで、東京の浅草の人混み以上です。1999年に世界遺産に登録されたのは、この旧市街に古くからの建物が多く残されているからでした。その象徴とも言えるのが、1593年に建造された来遠橋(日本橋)の存在です。当時、日本はまだ鎖国の前の時代で、朱印船貿易が盛んだったそうです。ホイアンにもに1000人程度の日本人が暮らしていたのです。そんな日本人が建てた橋が、400年以上の時を経て、観光客を呼び寄せているのです。にぎわう来遠橋を見ていると、感慨がわき起こってきます。日本人としては、うれしいですね。

終日観光客でごった返す来遠橋(日本橋) 終日観光客でごった返す来遠橋(日本橋)

伊勢うどんがルーツの麺料理がある?

そんな日本にゆかりのあるこの町で、名物のひとつがカオラウと言う麺料理です。一見、しょうゆをぶっかけていただく、伊勢名物の「伊勢うどん」に似ていなくもありません。そこで、このカウラウのルーツが伊勢うどんであるという噂が、まことしやかに流れているのです。しかし、伊勢神宮近くの「おかげ横丁」で伊勢うどんを何度か食べたことがある僕としては、どうもこれは、「都市伝説」に近いのではと思ってしまうのでした。伊勢うどん説の発端はテレビ番組のようです。それは、17世紀前半の朱印船貿易時代の伊勢商人・角屋七郎兵衛が、ホイアンから帰ることがなかったので、彼が伊勢うどんをホイアンに根付けた結果、カオラウになったというものです。何の証明もなく、残念ですねえ。しかも実際、食べてみれば、その違いは一目瞭然なのですが…。ただ話としては面白いので、まことしやかに流れているのでしょう。

ホイアン名物カオラウ ホイアン名物カオラウ

カオラウの味はこんな味

さて、カオラウです。これは米粉をかん水を使ってのばし、また水も日本とは異なる硬水を使っています。中華麺のように黄色くなるのはかん水のせい。これを25センチくらいの長さに切って、天日で干します。市場に行くと売っていますよ。食べる時に湯がきます。具は厚切り焼豚とせんべい、それに生野菜とパクチーなどです。ソースは広東醤油に似た甘口系のベトナム醤油に砂糖を加えて、さらに甘くします。これを丼の下に敷き、また上からひと回し程度かけるのです。ライムを絞り、野菜類を入れてよく混ぜて食べるのです。すると結構硬いです。ソースの味は、汁なし味噌煮込みうどんのような味です。日本ではぶっかけ麺は種類が少ないですが、本場の中国を始めアジアでは、汁麺よりこちらが主流です。伊勢うどんは日本ではめずらしく、汁なしですが、アジアではごく普通です。こんなところも珍説がまかり通るきっけかけとなったのかもしれません。