- 田尾蓮果
- バリ島在住。ジャワ島のガジャマダ大学に語学留学後、93年バリ島に移住。誰もが認める犬バカ女で、美味しいもの、買い物、スパも大好き。フリーペーパー「H.I.S.バリフリーク」元編集長。著書に「バリ島極楽チャンプル」「バリごはん バリ島極楽チャンプル2」(共にソニー・マガジンズ)。10年12月「田尾たんぼ」より改名。
出発エリアをに変更しました。
ゆるやかな曲線を描いたライステラスが幾重にも重なるテガラランの風景
バリ島の山間部のあちこちで見かけるライステラス。ライステラスというのは、日本でいう「段々畑」のことだ。このバリの段々畑の特徴は際立った曲線の美しさにある。自然の山肌に沿うようにして作られた田んぼは、まさに「テラス」といった表現がぴったりなのだ。このライステラスに熱帯特有の椰子の木が花を添え、まるでいっぷくの絵画のような風景が楽しめる。まさに自然と人間が共同で作りあげた芸術作品といえるだろう。そんな美しいライステラスの中でもいちばんと言われているのが、ウブド中心地から車で20分ほどのところにあるテガラランのライステラス。ここは山あいのウブドよりも更に標高が上がるので、天気の良い日でも暑くてたまらないということはほとんどなく、山の清々しい空気をお腹いっぱい吸い込める。どんなにたくさんストレスを溜め込んだ人でも、ここに行って深呼吸すれば、心の底からストレスが消えていくのが実感できるはず。それくらい気持ちのいい場所なのだ。
テラスパディカフェの人気料理。左手前から時計回りにサテ リリッ(つくね)、ナシクニン(ウコンで炊いたごはんに卵焼きやフライドチキンの乗ったもの)、ピカソスープ(ほうれん草とかぼちゃのスープ)
清々しい空気とおだやかな雰囲気の中で、テガラランのライステラスを思う存分堪能したいなら、「テラスパディカフェ」がオススメだ。ここはライステラスがいちばんキレイに見える特等席といってもいい。しかも、この店の料理はおいしいことでも有名で、在住日本人にも人気がある。私も仕事で疲れが溜まった時など、うちから車で1時間半もかけてわざわざここまで癒されに行くことがある。こういった絶景カフェは料理の方がイマイチということが多いけれど、テラスパディは絶景プラスおいしい料理も楽しめる、数少ない店のひとつなのだ。オススメのメニューは「ナシクニン(写真奥)」。ナシクニンというのはウコンで炊いた黄色いごはんのことで、バリではポピュラーなメニューだけれど、ここのはほかの店とは違うオリジナルの炊き方をしているので、うまさも格別。フライドチキンなどのおかずもついているからこれだけで充分楽しめるというスグレモノだ。
椰子の実ジュースで熱帯気分を満喫したい
熱帯バリには「エスクラパムダ」という飲み物がある。エス=アイス、クラパ=椰子、ムダ=若いの意で、若い椰子の実を使ったジュースのこと。町なかの店ではこのエスクラパムダをグラスで出すところも多いけれど、テラスパディのは椰子の実をグラス代わりにそのまま使っている。しかもこの椰子の実、この店の目の前の椰子から穫ったもの。つまり、ライステラスと椰子の木が織りなす絶景を見ながら、この土地のパワーを飲み物からも受け取れるという寸法なのだ。バレ(バリ式東屋)席の小さなお座敷でまったり&ゴロゴロしながらナシクニンとエスクラパムダをいただいて、至福のひとときを過ごしてほしい。
■ Teras Padi Cafe(テラスパディカフェ)
Desa Cekingan, Tegallalang, Gianyar, Bali, Indonesia
ウブド中心地からアンドン通りを北上。車で約20分。
Tel : (62-361) 7425789
Open : 9:00 18:00/無休
※バレ:バリ式東屋。高床式で三〜四方の壁がない小さな小屋。木や竹を組み合わせて作られていることが多い。現在ではバリ島のほとんどのリゾート施設(ヴィラなど)に設置されている。
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