広東省の端っこに、どうしてフランスが残した建物があるの?

海を隔てて、目の前はもうベトナムです。広東省の端っこの地に、フランス人が建てた建築物があるなんて! ボロボロで見る影もないのですが、あきらかに周囲の街並みから浮き上がってます。黄色やクリーム色のフランスの建築は、素朴で重厚なドイツ建築と違って、コロニアルなムード満点です。広東省西部にある湛江は、フランス風の建物が数多く残っている大きな市です。どうして、湛江にフランス風の建築物が残っているかというと、ここは19世紀末から1945年までフランスの租借地だったからです。

100年の歴史があるフランスの建築 100年の歴史があるフランスの建築

コロニアル建築好きならたまらない

湛江は、中国の最南端の海南島に近い雷州半島にあります。雷州半島の西側に広がっているのはトンキン湾です。トンキン湾を超えると、そこはもうベトナムの首都、ハノイです。19世紀末、フランスはハノイから雲南省昆明まで、鉄道を敷きました。これが滇越鉄道です。そのせいか雲南省を含め、租借地があった広東省には、フランス風の建築物が残っています。湛江市は、このフランスの遺産を保存するつもりはないらしく、多くの建築は見る影もなく、朽ち果てています。明るい南国の太陽の下でその哀愁が漂う外観を見ると、いっそう物悲しい風情で、それがまたコロニアルな建築好きにはたまらないところです。

湛江の赤坎老街区に行ってみよう!

湛江市は南北に長く、その縦断には市内バスなら優に30分以上はかかります。観光のポイントになるのは、赤坎老街区と霞山老街区です。赤坎老街区の民主路、民権路、民生路、和平路にフランスが残した建物が集中しています。民主路105号の「広州湾商会跡地」は必見ですが、きれいに修復されすぎていて、風情はいまひとつです。フランスが残した建物の多くは、1階の壁や2階のバルコニーの部分の上部がアーチ型になっています。民主路付近は歩き回って、無名のフランスの建物探しをしたほうが、風情がある建物が見つかります。

湛江の霞山老街区もおすすめ!

霞山老街区は、赤坎老街区から南にバスで約30分ほど進んだところにあります。こちらは、フランス租界があった頃の政府機関がおかれていた場所です。延安路には、法国(フランス)公使館が残っています。ほかにも法国警察署や維多爾天主教堂が残っています。もともとは山吹色か黄色だった建物も、今では薄いクリーム色に変わり、周囲の風景に溶け込んでいます。東堤路には、1階と2階の上部の壁がアーチ型になっている民家が並んでいますが、100年を越えるだけにかなりひどい状態で、いつ壊されてもおかしくない雰囲気ですが、中国の近代史を見ている気分になれるところです。湛江は、コロニアルで、ちょっと寂し気な街並みが好きな人におすすめの場所です。