“クルーズ”の概念がこれで覆る?

あなたが“クルーズ”と聞いてまずイメージするのは、どんなものでしょうか? 青い空、青い海、波を蹴って進む豪華な船……。憧れるけれど高そうで費用が心配、そんなクルーズかもしれません。けれども今回ご紹介するのは、その対極ながら、すばらしい経験を約束してくれるクルーズツアーです。マレーシアのコタキナバルを起点とする、ネイチャーウォッチ系の「ボルネオ島でテングザルなどの野生動物を観察するリバークルーズ」です!

気軽に本格ネイチャーツアー!ボルネオ島、テングザルウォッチングクルーズへ(前編) 気軽に本格ネイチャーツアー!ボルネオ島、テングザルウォッチングクルーズへ(前編)

自然の宝庫ボルネオ島で、希少なテングザルを観察

ボルネオ島は、マレーシア・インドネシア・ブルネイの3国から成る、世界で3番目に大きな島。熱帯雨林が育む貴重な自然の宝庫です。私が訪れたのは、島の北部、マレーシアのサバ州を流れるガラマ川。ここで野生のテングザルを観察することができます。野生のテングザルは、ボルネオ島にしか棲息していません。一時は絶滅の危機が心配されていましたが、マレーシア政府の手厚い保護により、頭数が回復傾向にあるそうです。それだけ、観察のチャンスも増えたということですね。

テングザルの特徴は

ガラマ川は川幅が狭いためボートの操舵は大変ですが、その分、岸辺の生き物を間近に見ることができるのが利点です。テングザルのオスは長く垂れ下がった鼻が特徴です。鼻が立派な個体ほど、メスにモテるのだそうです。メスの鼻は上向きです。大きな太鼓腹は、毒性の強い植物を消化するために、腸が長くなっていったからとのこと。その愛嬌ある姿が、早くも楽しみでしかたがありません。

アトラクションとは似て非なる景観と緊張感

気温が下がって生き物たちの活動が活発になる夕方から、クルーズはスタートします。とはいえ、青く広い海原駆けるクルーズとは似ても似つかないクルーズです。鬱蒼とした原始のジャングルの中、ボートは、川幅の狭い、黒々とした水面を切ってゆっくりと進んでいくのですから。「有名アミューズメントパークの“ジャングルクルーズ”とそっくり、と私は最初に思いました。けれど、黒い森も、黒い水も、鳴き交わす鳥の声も、森に潜む無数の生き物たちがこちらを窺っているであろう視線も、すべて“ホンモノ”に取り囲まれる体験は、すべてがニセモノのアトラクションでは、当たり前ですが決して得られないものです。ボートが森の奥へ進んでいくにつれ、身の引き締まるような感覚に包まれて行くのです。