そして、とうとうテングザルと対面

カニクイザルや大トカゲ、可愛らしい赤ちゃんワニなど、さまざまな野生動物を観察するうち、ついにテングザルの群れも見ることができました。薄暗くなってくると私たち乗客は自力で動物を見つけることが難しくなってきますが、そこは優秀なガイドさんがしっかり見ていてくれます。「オスのテングザルです。」と押し殺した声で(周囲の動物を驚かせないように)指差す高い枝の上には、本当に大きなオスが、すでにこちらをじっと見下ろしていました。

気軽に本格ネイチャーツアー! ボルネオ島、テングザルウォッチングクルーズへ(後編) 気軽に本格ネイチャーツアー! ボルネオ島、テングザルウォッチングクルーズへ(後編)

ボスザルの姿に、思いがけない感動を覚える

メスや子供のサルは、ボートのモーター音で逃げていくのに、ボスだけは微動だにしません。ガイドさんは「おそらくボスですね。私たちを見ても逃げないのは大丈夫だと知っているからです。」という声を聞きながら、私はボスザルのまなざしに、ユーモラスな体躯と裏腹な“神々しさ”を感じていました。絶滅の危機を生き延び、群れを統べているその姿に、この森の生態系のひとつの頂点を見た気がしたのです。感動で少し涙が出ました。ボスと確かに「目が合った」と感じていました。思い込みでしょうか。それでもいいのです。不思議な形のあの生き物の静かな佇まいに、ただただひれ伏すような気持ちになりました。

マレー料理のディナーと夜のホタル鑑賞

そのあともたくさんのテングザルを見ることができました。木から木へと飛び移るのに、お腹が重そうに見えますが、意外と身軽に、ひらりひらりと移動しています。すっかり日が暮れた後にいったん岸に戻り、ボート小屋のおかみさん手作りの、マレー料理のディナーをいただきました。予想以上のおいしさに、また感動。この会社のツアーにして本当によかった! 食後は再び川に繰り出し、ホタルを観察しました。日本のホタルと光り方が全然違い、チカチカキラキラとした生きた電飾のような発光に、またまた感激至極です。

コタ・キナバルのツアーガイドさんは日本語堪能な人がそろっています

このすばらしいクルーズツアーは、日本からでも簡単に予約ができます。英語ツアーもたくさんありますが、日本の旅行会社で予約すれば、日本語の現地ガイドさんが丁寧な解説をしてくれます。漠然とあたりの自然を「風景」として楽しむのもいいけれど、一人では見過ごしてしまうであろう動植物の解説を聞けば、自然に対する畏敬の気持ちもいっそう強くなります。ほとんどのツアーがコタキナバルを拠点として発着しているので、コタキナバルの街の散策と合わせてみても楽しいですね!