クロザルの群れに遭遇!

このクロザルのもっとも有名な繁殖地が、このタンココ野生動物保護区なのです。2014年にNHKの番組でも放送されたことがあるんですよ。黒くて短い体毛に覆われたこのサルの体長は45〜60cm。ふだんは群れで樹上に棲み、エサを採る時などには地上に降りてきます。おもに果物や木の実を食べますが、昆虫や鳥の卵、トカゲやカエルも食べるようです。小さな分かれ道に入り、明るい林に入りました。すると前方に人がいます。ユニフォームを着た若い男女数名で、公園で働いている職員でした。その先にはクロザルの群れが樹上に見えます。個体数を数え、生態を観察しているのです。

珍しい動物が見られる、インドネシアのタンココ自然保護区へ その4 豊かな表情のクロザル 珍しい動物が見られる、インドネシアのタンココ自然保護区へ その4 豊かな表情のクロザル

表情が豊か過ぎて、“怖い”顔のクロザル

私はその職員たちのそばに座って、クロザルの群れを観察することにしました。頭数は全部で30頭ほど。小さな赤ちゃんザルもいます。このクロザル、顔がとても“怖い”ことで知られています。表情で仲間どうしのコミュニケーションをとることから、サルの中でも飛び切り表情豊かなサルなのです。ただ、もとがちょっといかつい顔なので、歯を剥き出して怒ったらまるでホラー映画。笑うこともあるのですが、笑ったら笑ったらで、殺し屋がニカッとしたようでまた怖い。しかし実際は、仲間同士で暴力で争うことは少なく、表情や威嚇で勝負が決まるのだそうです。

「サルに著作権はあるか?」で有名になったクロザル

このクロザル、とても好奇心が旺盛なようです。最近、「サルが“自撮り”した写真の著作権は誰にある?」がウエブ上で論争を呼びました。イギリスのある写真家がクロザルをこの森で撮影していたところ、興味を示したクロザルの一匹がカメラを取って“自撮り”したのです。写真家がその写真をウエブで公開したところ、その画像がウィキペディアに無許可で掲載されたというのです。写真家は著作権を主張し、削除を要請したのですが、ウィキ側はそれをパブリックドメインだとして拒否したとか。もしかしてこのニュースでクロザルを知った方もいるのでは? 

海も楽しめるタンココ

さて、最初は離れた樹上にいたクロザルの群れですが、次第にこちらに近づいて来て、いつのまにか群れにすっかり囲まれてしまいました。そのうち、5〜6頭が下りて来て、こちらの様子をうかがっています。あまり近づいて来ると、ちょっと怖いですね。しばらく観察して、私は職員たちやクロザルに別れを告げることにしました。宿に戻ったのが11時ぐらいだったので、3時間ぐらいのウォーキングだったでしょうか。ガイドによれば、最長で5時間ぐらいのコースもあるようです。最後に、ガイドに海を見たいというと、バイクで村の港まで連れて行ってくれました。海は透明度が高く、スノーケリングもできるそうです。また、ドルフィンウォッチングのボート手配も可能だということでした。また来る機会があったら、ぜひ海も楽しんでみたいと思います。