ベトナムフォーの次に“来る”アジア麺とは!

日本人は世界でも有数の“麺類好き”ではないでしょうか。つい10年ほど前まではちょっとめずらしかったベトナムの「フォー」も、今ではすっかり定着した気がします。フォーの次に“来る”のは、マレーシアやシンガポールの麺料理「ラクサ」ではないか? 私はひそかにそう予想しています、というより願っています。私はラクサが好きでたまらず、マレーシアやシンガポールでは1日1回は食べないと気が済まないほどなのです!

マレーシアの麺料理、「ラクサ」の魅力とは? マレーシアの麺料理、「ラクサ」の魅力とは?

豚を食べないムスリムに受け入れられた麺料理

ラクサとは、マレーシアとシンガポールの郷土料理です。その土地ならではの食材を使うため、マレー半島各地できわめて多彩な発展を遂げました。それはちょうど、日本で「おでん」や「味噌汁」とひと口に言っても、その味や具材がさまざまに分かれるのと同じです。共通点は、ほとんどが米の麺を用い、だしは魚介類からとるということです(卵麺や鶏だしを使うなど、例外もあります)。材料に豚を使わないため、ムスリムの多いマレー半島全体に根付いていきました。具はえび、もやし、千切りのきゅうり、貝のむき身、ゆで卵、かまぼこ、油揚げなどいろいろです。

シンガポールラクサは濃厚なココナッツミルクが特徴

近年は日本でも、東京を中心にシンガポール料理レストランが増えてきましたし、ラクサの即席麺も手に入るようになりました。しかし、それらはあくまでも「シンガポールラクサ」の味。シンガポールラクサは、ココナッツミルクがたっぷりと入った、辛さと甘みの濃厚なスープが特徴です。きれいなオレンジ色のクリーミーなスープは、一度見たら忘れられないでしょう。私ももちろんこれが好物ですが、このラクサは奥深きラクサの世界の、ほんのごく一部でしかないのです。マレーシアにはアッサムラクサ、サラワクラクサ、カレーラクサ、ニョニャラクサ、その他いくらでもご当地ラクサがあるんですよ! シンガポールの多くのレストランで出されるココナッツミルクベースのラクサは、ニョニャラクサが元です。

めくるめくご当地ラクサの世界へぜひ!

私のおすすめは、ペナンのアッサムラクサです。アッサムとは「酸っぱい」という意味で、酸味の効いたスープが特徴です。シンガポールのオレンジ色のスープとは似ても似つかない、やや黒っぽいラーメンスープのような色をしています。スープには鯖や鯵などを砕いた身がそのまま入っているため、スープに細かい骨などが交じり込んでいて、ワイルドかつ体によさそう。小骨を噛みしめつつスープを全部飲んでしまうほど、魚好きにはたまらないラクサです。いつの日か各地のご当地ラクサを食べ歩くことだけを目的にしてマレー半島を旅したい……そんな夢想さえ生まれてきそうな、魔性の麺ですよ!しかも一杯200円ほど。ラクサ行脚に、行きたくなったでしょう?