10年経ってもまだ残る津波の影響

「そういえば、ピピ島はもう大丈夫なの?」。タイの話をしていると、たびたびこう聞かれます。何が“もう大丈夫”なのかといえば、スマトラ沖地震(インド洋大津波)で被災してから、どうなったのか? ということです。あの震災が起きたのは、2004年12月26日のこと。私が初めてピピ島に行った2か月後でした。あれからもう10年以上も経つのに、いまだにそう聞かれることが多いのは、“ピピ島=津波で壊滅”というイメージがまだ強いんだなぁ、と驚きます。日本のテレビでは、ピピ島のことを繰り返し報道していたので仕方ないのかもしれません。

Q:ピピ島はもう大丈夫なの? A:津波以前よりもずっと元気ですよ! Q:ピピ島はもう大丈夫なの? A:津波以前よりもずっと元気ですよ!

壊滅したのは一部のエリアだけだったのに…

一般にピピ島と呼ばれているのはビピ・ドン島のこと。6つの島からなるピピ諸島の中で最も大きく、唯一リゾート開発されている島です。とくにホテルや店が集中する島の中心、トンサイ・ヴィレッジは、南北の入江に挟まれた地形のため津波で壊滅的な被害を受けました。被害の少なかったほかのエリアでは、ホテルやショップがまもなく営業を再開しており、島全体で早々に復興へと取り組んでいたのに、残念ながらそういう報道はあまりされませんでしたね。

タイ人らしいたくましさで復興も早かった

津波の約1年後、再び島を訪れたとき。いちばん被害の大きかったところは更地になっていたものの、レストランやゲストハウスも復活。コンクリート製の長屋風ショッピング・ストリートが整備されて活気もある。ホテルエリアも山の斜面に拡大して新しいリゾートを建設していました。ピピ島では基本的に車が使えないので、プーケット島やクラビーから船で運んできた建材もリヤカーで運搬。建設現場でも文字通りのマンパワーがモノをいわせている。とても1年前に被災したとは思えないほどでした。

商業化が進みすぎているほうが心配

ピピ島は、その後もどんどん発展し続けています。むしろ「もうここらへんでやめといたほうがいいんじゃないの?」っていいたくなるくらい(笑)。10年前の印象が未だに影を落とす、あのトンサイ・ヴィレッジが現在どうなっているかというと…。津波前よりもたくさんのホテルやゲストハウス、レストランやバー、ショップがひしめき合ってパツパツ。いつも若い旅行者でにぎわっています。港の前には、この島に似合わない近代的なショッピング・モールまで建設中。

元気なピピ島に遊びに行こう

だから「ピピ島はもう大丈夫?」という心配はご無用! ピピ島はとっても元気です。逆に島の人から「最近日本人はあまり来ないけど、東日本大震災の影響か?」といわれたりします。年月が経ってもなお残る、ぼんやりとした風評被害。それでピピ島を訪れる人が減っていたらさびしいことです。エメラルドグリーンのグラデーションが美しい海と、小さなエリアに何もかもがギュッと詰まったトンサイ・ヴィレッジ。ピピ島にしかない魅力をまだ知らないなんてもったいない。プーケット島やクラビーから日帰りツアーも出ていますが、できれば2、3泊するのがおすすめです。