カリブ海にある「うなぎ」という名前の島

カリブ海の東側に、点々と小さな島々が続く小アンティル諸島。8つの独立国と欧米の10以上の海外領土からなりますが、その中のリーワード諸島にあるアンギラ(島)はイギリスの海外領土です。面積は猪苗代湖よりやや小さいぐらいで、すぐ南にはフランス領とオランダ領からなるセント・マーチン島があります(ビーチすれすれに大型旅客機が飛ぶ、あの島ですね)。「アンギラ」とはスペイン語で「うなぎ」の意味で、島が「東西に長い」ことから。島はコロンブスの2度目の航海の時に発見されましたが、入植が始まったのは17世紀のこと。1967年2月には、150km南にあるセントクリストファー島とそのすぐ近くのネイビス島と共に「セントクリストファー=ネイビス=アンギラ」とまとめてイギリスの自治領になります。

独立国より植民地のほうがいい? 独立を取り消したという珍しいミニ国家、アンギラ 独立国より植民地のほうがいい? 独立を取り消したという珍しいミニ国家、アンギラ

遠い島に大きい顔をされるなら…

しかしもともと別の歴史を歩んで来た島だっただけに、アンギラの住民は150kmも離れたセントクリストファーの力が強くなることに不満を覚えます。そのため、アンギラは同年7月にすぐに独立を宣言。セントクリストファーを中心とした政府を追い出し、2年後の1969年には「アンギラ共和国」の独立宣言をします。セントクリストファーの政府は怒りますが、そちらも小さな島なので軍隊を送って制圧する力もありません。そこでイギリス本国に頼んで武装警官隊を送ってもらいます。ところが武装警官隊がアンギラに着くと住民たちは喜んで出迎えました。「よその島の下になって独立するくらいなら、イギリスの植民地の方がよっぽどいい」という道を選んだのです。こうしてアンギラは再びイギリス領に戻って現在にいたります…。

隣のセント・マーチンからも日帰りできる!

現在のアンギラの人口は約1万5000人。ビーチ以外にとくにこれといった観光名所はないようですが、それでも「のんびりしたい」という欧米人旅行者がやってきます。とにかく海がきれいなことはまちがいないのです。それにすぐ南には、観光で栄えているセント・マーチン島があり、そちらから流れて来る観光客も少なくありません。だってフェリーでたった20分なんですから、どちらからも十分日帰りもできます。ただ、面倒なのは、セント・マーチン島の南半分がオランダ領、北半分がフランス領、そしてアンギラがイギリス領と、移動には国境を越えなくてはならないことでしょうね。なのでセント・マーチンから行くには、パスポートは必携ですよ。