18世紀まで遡るキューバのコーヒーの歴史

キューバのコーヒーの歴史は、1747年まで遡ります。この年、スペイン人入植者ドン・ホセ・ヘラベルトは、首都ハバナの近郊に最初のコーヒーの木の苗を植えました。その後、ハイチ革命によってハイチが独立すると、フランス人農場主が黒人奴隷たちを連れてキューバに逃れ、キューバの南東部(サンティアゴ・デ・クーバとグアンタナモ)一帯を開拓してコーヒーの栽培を始めました。ハイチ伝来の手法によるコーヒー栽培はやがて衰退しますが、現在もこの地域には当時のコーヒー農園が残されており、コーヒー農園発祥地の景観として世界遺産に登録されています。

老舗のカフェ「エル・エスコリアル」はテラス席がおすすめです 老舗のカフェ「エル・エスコリアル」はテラス席がおすすめです

ハバナのカフェといえば「エル・エスコリアル」

コーヒーとの深い関わりの歴史を持つキューバでは、今でもコーヒーが人々に愛され、砂糖をたっぷり加えた甘いエスプレッソ「カフェ・クバーノ」が好まれます。首都ハバナはインターネットのニュースサイトで「コーヒーが美味しいと評判の街11選」に選ばれただけあって、最近は路地裏におしゃれなカフェが増えてきました。しかし、ハバナ市民の絶大な支持を得ている、ハバナ一美味しいコーヒーを飲ませるカフェといえば、旧市街のビエハ広場にある老舗のカフェ「El Escorial エル・エスコリアル」を挙げないわけにはいかないでしょう。

匠が焙煎するコーヒー豆を求めて並ぶハバナ市民

エル・エスコリアルでは、キューバ中部のエスカンブライ山脈の農場で採れたコーヒー豆を自家焙煎しています。毎朝その日の分を焙煎するのですが、煎りたての豆を買うためにキューバ人が開店前から列をなし、出遅れるとすぐに売り切れてしまいます。私も9時半の開店に先立って9時には店の前に着きましたが、もうすでにキューバ人が15人ほど待っていました。並びながら中の様子を見ると、おじさんがひとりで古い焙煎機を使って黙々と豆を煎っていました。豆の具合を細かくチェックするその目は、まさに匠のものです。その豆は帰国後もしばらく芳醇な味と香りを保ち、ハバナの街の風景を脳裏によみがえらせてくれました。

居心地のいいテラス席で至福の一杯を!

もちろん、エル・エスコリアルはカフェとしても秀逸です。ビエハ広場の一角に設けられたテラス席に陣取って、17世紀のコロニアルな建物が並ぶ美しい広場を眺めながら美味しいコーヒーを飲むのは至福のひととき。カフェの中も、古く趣のある内装に歴史を感じます。絶品のコーヒーは、甘くないエスプレッソ「カフェ・ソロ」がなんと0.75CUC(約90円)でした。コーヒーのレシピは50種類以上。ケーキやサンドイッチなど食べ物も充実しています。ハバナを訪れたら一度は王道の老舗のカフェで、匠が作りあげた逸品のコーヒーを味わってみてください。