- ナイト‘Iyah’彩子
- 在キングストン12年。96年レコードバイヤーとして単身渡ジャマ。アーティストのインタビューやジャマイカ情報の寄稿、音楽・TVのコーディネーター、通訳、バイヤー。自宅スタジオで趣味半分の音楽作り。ジャマイカの自然、食、音楽、人、言葉を愛してやまない2児の母。パトワ語で夢を見るようになった今日この頃。
出発エリアをに変更しました。
エマンシペーションパークの入り口には、ひときわ目立つ男女の銅像が立っている。空を見上げるこの裸像は「解放の日の朝」の元奴隷たちの気持ちを象徴しているのだという
ニューキングストンの中心を通る大通り‘ナッツフォードブルバード’は、オフィス街を抜けると、ビジネスホテルが連なる通りへと繋がる。エマンシペーションパークは、この建ち並ぶビジネスホテルのちょうど真向かいにある、緑豊かで静かな公園。ホテルのベランダから見下ろすこの公園の風景と夜景もまたとても綺麗です!ジャマイカで一番忙しく騒がしいビジネス街であるニューキングストンにいながら、つかの間の静寂と平穏を味わえるエマンシペーションパークは、‘都会のオアシス’的リラクゼーションスポットです。
休日の夜には正面に見えるステージでフリーコンサートが開かれることも。夜は正面と両脇にライトアップされた噴水が映える。昼間は水遊びする子供たちもチラホラ
1838年7月31日。奴隷制度が廃止になったその日の真夜中、多くの奴隷たちは、丘の頂上に登って「新しい命のはじまり」となる翌朝の日の出を見にいったと言われている。「解放(エマンシペーション)の日」は30万人以上のジャマイカの奴隷にとって「自分の人生でしたいと思うことを選択できる自由」を勝ち取った、特別な日となった。現在も8月1日は「エマンシペーションデー(解放の日)」という国民の休日に指定されている。エマンシペーションパークの入口の大きな銅像、空を見上げる裸体の男性と女性は、まさに「解放の日の朝」に希望と自由に満ち足りた気持ちで空を見上げた奴隷たちを象徴して作られたそうだ。
公園の庭はきれいに維持されている。休日には記念写真を撮影する新婚カップルの姿があちこちで見られる
この公園の魅力のひとつは、コンパクトにジャマイカントロピカルな自然が楽しめること。噴水の水をつつく甘鷺、庭のあちこちにLigunum Vitae(リグナムヴァイティ、国花)が咲いていて、Blue Mahoe(ブルーマホー、国木)の木が鮮やかな緑の葉をつけて並び、ハミングバード(国鳥)がブーゲンビリアの花から花へ忙しそうに蜜を吸っては飛ぶ。「ジャマイカな自然」がこの都会の中の公園にはあふれていて、訪れる人をリラクゼーションに導いてくれるエッセンスになっている。木陰の下の芝生に寝転んで青い空を眺めていると、目の前に2羽のチョウチョウが追いかけっこ、なんていう絵本みたいなこともあるかも!?
ジョギングコース。100mごとに旗が立っている。自転車などが一切入園できないので園内は落ち着いた雰囲気。園内はセキュリティがあちこちにいて比較的安全です
エマンシペーションパークは外壁に沿って一周500mのジョギングコースが整備されている。公園の向かいにあるホテルに宿泊するビジネスマンはもとより、車社会で歩くことの少なくなったキングストニアンが車でやってきてジョギングする人気スポットとしても、知られている。異国の早朝や夕暮れ時ってそれだけで何か妙に風情がありませんか?旅のリフレッシュにこのジャマイカの自然あふれる公園でジョギングを楽しんでみてはどうでしょうか。
■Emancipation Park(エマンシペーション・パーク)
月曜〜木曜 AM5:00〜PM11:00
金曜〜日曜 AM5:00〜AM12:00
URL:http://www.emancipationpark.org.jm/
夜遅くても公園内はわりとセキュリティがしっかりしていて、比較的安全です。夜遅くなった場合は、公園外は歩かずに必ずタクシーを利用してください
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2008/01/09)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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