- ナイト‘Iyah’彩子
- 在キングストン12年。96年レコードバイヤーとして単身渡ジャマ。アーティストのインタビューやジャマイカ情報の寄稿、音楽・TVのコーディネーター、通訳、バイヤー。自宅スタジオで趣味半分の音楽作り。ジャマイカの自然、食、音楽、人、言葉を愛してやまない2児の母。パトワ語で夢を見るようになった今日この頃。
出発エリアをに変更しました。
熟すと自然に赤い皮が開いて、大きな目玉のような黒い種と黄色い実が顔を出す
ジャマイカのいいところは、おなかがすいたらまず外へ出て空を見あげれば、カラフルに熟したフルーツの木を必ず見つけられること。一年を通してトロピカルな果物が出回り、その種類はとても豊富。なかでもジャマイカで最もよく目にする木と言えば、マンゴーとアキーの木だろう。マンゴーは南国諸国では馴染み深いフルーツだと思うが、今回は「アキー」というジャマイカ特有のおかず用フルーツ、私の大好物をご紹介しよう!
多くの家庭の庭にはアキーのみならず、フルーツの木をたくさん植えているのがジャマイカ流。風が強い日は頭上注意!
アキーはアフリカ西海岸が原産地。アフリカ人によって食されることのなかったアキーはジャマイカでは食用として愛用され、代表的なアキー料理である「アキーアンドソルトフィッシュ」はジャマイカの朝ごはんには欠かせないメニュー。なんと「ナショナルディッシュ」と国から認定されているほどのお袋の味!?的存在なのです。アキーの木は10m〜15m、緑の実が赤くなり熟れると自然に実が開き、中から3つの黄色い実と黒い目玉のような大きな種が顔を出す。熟れてないアキーは有毒で、最悪の場合は死に至るそうだから、自然に熟して開いたものを食すことが肝心!ナショナルディッシュを食べるのも命がけ!?(笑)
鮮やかな黄色のアキーの実。アキーアンドソルトフィッシュとライスアンドピーズ。ついでにキャロットジュースでもあったら完璧なジャマイカランチ!
自然に熟したアキーの黄色い実を塩茹でして、塩鱈と玉ねぎやタイムと一緒に炒めたものがアキーアンドソルトフィッシュ。見た目はなんとなくスクランブルエッグ風。アキーは果物といっても甘くはなく、こってりしていて、香ばしく味わい深い。ビタミンAやたんぱく質も豊富で、ベジタリアンの多いジャマイカではとりわけ重宝される食材のひとつ。アキーアンドソルトフィッシュは、朝ごはんなら塩茹でしたヤム芋やグリーンバナナと一緒に、お昼ならライスアンドピーズ(ココナッツミルクで炊いた豆ご飯)と一緒にいただく。
小さなアキーの木。赤い実がたくさんついている。木の上で熟して自然に開いたら収穫時
街を歩けばアキーを並べて売ってる人に必ず出くわすでしょうが、やはり処理が特殊だし、何と言っても有毒果実なので、初心者が調理にチャレンジするのはお薦めできない。レストランやランチボックス屋で是非アキーアンドソルトフィッシュを注文してみてください。こってりなのにさっぱり、日本人の口に合う一品に間違いなし!
※最近ではアキーの缶詰が売られていますが、これは木から採って食べるアキーとは完全に別物です! ジャマイカのレストランで缶詰を使ってるところは一切ありません。せっかくジャマイカに来たら、ぜひ本物の味を堪能して欲しいものです。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2008/02/27)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
エイビーマガジンについて