古いヒンドゥー教の伝統を今なお残す南インド

近年ITなどで発展著しいインドですが、「芸能の宝庫」と呼ばれるだけあり、今なお古典芸能が盛んです。北インドではイスラムの影響を受けた歴史からアラブ・ペルシアの匂いを感じさせる芸能が多いのに対し、南インドでは古くからのヒンドゥー教の伝統が残っており、ヒンドゥー寺院を中心に、主に司祭階級のバラモンにより伝えられてきた「カルナータカ音楽」と呼ばれる古典音楽や、寺院での奉納舞を起源とする古典舞踊「バラタナティヤム」などが盛んです。

南インド、古典芸能のすすめ!チェンナイのミュージック・シーズンに行こう! 南インド、古典芸能のすすめ!チェンナイのミュージック・シーズンに行こう!

お勧めはチェンナイのミュージック・シーズン

そういった南インドの古典芸能を観たいならば、まずは南インド随一の大都市チェンナイをお勧めします。かつてマドラスと呼ばれていたこの都市は、南インドの文化的中心地で、多くのコンサートやイベントを楽しむことができます。特に12月半ばから1月初旬にかけては、カルナータカ音楽とバラタナティヤムを中心に、ピーク時には何と一日に50を超えるほど多くのコンサートが開催されるので、「どのコンサートに行こうか?」と贅沢な悩みを抱えることになります。

カジュアルに楽しむ古典芸能

古典芸能と聞くと堅苦しいイメージを持つ人も多いかもしれませんが、インドの人は格式の高い古典芸能でも、インド人らしくカジュアルに楽しんでいます。コンサートでは、観客はリアルタイムに演奏に対する反応をするのです。音楽家がかっこいいフレーズを歌うと、客席からは「ああっ!」という唸り声や「サヴァーシュ!(いいぞ!)」という声があがり、パーカッション・ソロになると観客も音楽家と一緒に手で拍子を取りリズムを楽しみます。ステージ上の音楽家と観客が一体となってコンサートという場を作り上げているとも言えるでしょう。

観光客向けではない現地の人向けのイベントに行ってみよう

チェンナイのミュージック・シーズンの特筆すべき点は、こういったコンサートが観光客向けではなく、現地の人が自分たちのために開催しているということです。カルナータカ音楽は今なお「祈り」の手段としての音楽という側面をもっているからです。とはいえ、外国人の私たちがコンサートに行っても、もちろんOK。周りの観客も、この曲は何の神様について歌っているなどと親切に教えてくれるので、是非とも一緒に楽しんでみてください。観光客向けではないコンサートに行けば、南インドの人の宗教心がより身近に感じられますよ。