現在も政府関係の庁舎が入っているセント・ジョージ要塞

「南インドのチェンナイで、歴史を感じる場所へ」その1からの続きです。イギリスの要塞が完成したのは1644年4月23日で、それがキリスト教の聖人の聖ジョージの日だったことから、「セント・ジョージ要塞」と名付けられます。やがて要塞の外側にインドの人の町ができていきました。イギリス東インド会社は、このセント・ジョージ要塞を拠点に、当時カーナティック地方と呼ばれた周辺地域に勢力を延ばしていきます。しかしフランスも150km南のポンディシェリーを拠点としてインドに覇権をのばそうとしていました。そのため、18世紀の一時期にはフランスにより、この要塞が占領されたこともあります。要塞内部の建物は、現在も政府関係の庁舎として使われており、一部の建物以外は中に入ることはできません。ただしセキュリティーチェックを受ければ、観光客でも敷地内を歩くことができます。

英領時代のマドラスの発展がわかる「要塞博物館」

それでは、セント・ジョージ要塞に入ってみましょう。海沿いの通りの入場ゲートで名前を記入し、セキリュティーチェックを受けて中に入ると、すぐ目の前にある建物が「要塞博物館 Fort Museum」です。1795年に建てられた建物を利用した小さな博物館で、イギリス統治時代の「マドラス」を知るにはいい場所でしょう。1階には軍服や刀など、2階が肖像画やコイン、3階がインドにおける英仏の戦争に関わるものです。展示品は多くはありませんが、時代とともに要塞が拡張していたことがわかる図版は興味深いです。
●Fort Museum
[開]9:00〜17:00 [休]金曜 [料]200ルピー(約340円)

セント・ジョージ要塞内にある要塞博物館 セント・ジョージ要塞内にある要塞博物館

要塞内を散策してみよう!

要塞内には、1680年創建のセント・メアリーズ教会もあります。これはインド初のイギリス国教会の建物だとか。敷地内には新しい建物もありますが、廃墟と化している古い建物や、要塞の壁なども残っているので、散策しながら眺めても面白いです。また、チャイを飲ませるティースタンドや、職員が利用している食堂のカンティーンもあるので、混じって利用しても面白いかもしれません。要塞西側の出口を出ると、郊外電車や近郊列車が停まるFORT駅に出ます。私が歩いたのは夕方だったので、要塞内で働いている人たちが、ちょうど帰宅の途についている時でした。(その3に続く)